【株 初心者必見!】「自社株買い」はなぜ株価の上昇につながるのか?

【株 初心者必見!】「自社株買い」はなぜ株価の上昇につながるのか?

株取引を始めるとき、利益をあげるために、様々なサイトや本を参考にしたり、セミナーに参加するのではないでしょうか。勉強をするうえで最低限の知識を学ぶことは悪くないことですが、8割の人が損をするのが株取引になります。教科書の知識だけでは利益をあげることは難しいのが現実です。

では株取引で利益をあげる人は、教科書で得られる知識以外にどのような知識をもっているのでしょうか。ここでは株価にプラスに働くとされる「自社株買い」について、どのように捉えるべきかを紹介します。

「自社株買い」を教科書ではこう説明している

自社株買いとは、自己株式を取得することで、企業が実施する株主還元策の1つです。

そのため多くの教科書は、「自社株買い」の実施を発表した企業は、株主から評価され、株価が上昇する傾向があると紹介されています。

教科書の答えは正しいのか

答えは「正しい」です。

自社株買いは、株主還元策の1つとして、多くの企業が実施してきました。株主還元策の代表的な例として、配当金があります。配当金は実際に株主にお金で還元するため、非常にわかりやすい還元策ということができますが、自社株買いは株主に対して直接的には何の還元もしません。

では、なぜ自社株買いが株主への還元策となるのでしょうか。その理由を紹介します。

自社株買いが株主還元になる理由

実は自社株買いを実施することで、様々な指標が改善され、企業価値を高めることができます。企業価値が高くなり、株価が上がり、株主の資産が増える、といった間接的な還元策が自社株買いになります。

①自社株買いをすることで、PERが改善される

まず自社株買いで改善される指標の1つは、PER(株価収益率)の値です。PERは株価の割安性を示す指標で、妥当とされるPERの値から低くなれば株価が割安とみなすことができます。詳しくは「「PER」にだまされるな!」を参照ください。

では、どのように改善されるかというと、発行済み株式数が減少することで、EPS(1株あたりの純利益)が上昇し、PERの値が低下します。

  • EPS = 純利益 ÷ 発行済み株式数
    • 自社株買いによりEPSは上昇
  • PER = 株価 ÷ EPS
    • EPSの上昇よりPERは減少

具体的に見て行きましょう。

A社の純利益が1,000万円、発行済み株式数が100万株、株価が200円であったとします。この場合、EPSは「1,000万円 ÷ 100万株 = 10円」となります。これよりA社のPERは「200円 ÷ 10円 = 20倍」となります。

ここでA社が10万株の自社株買いを行ったとします。10万株が自己株式に変わるため、発行済み株式数が90万株へ減少します。すると、EPSは「1,000万円 ÷ 90万株 = 11.1円」となり、PERは「200円 ÷ 11.1円 = 18倍」と低下します。

A社の業績は何も変わらないため、PERが18倍に低くなれば、PERが元の20倍へ戻ろうとすることが妥当であると判断され、株価が「20倍 × 11.1円 = 222円(※)」まで回復する効果が期待できます。

  • ※PER × EPS = 株価

1点注意すべきことがあり、自社株買いしたからといって、株価が2倍,3倍になる訳ではありません。上述したように、しっかりと適正株価を見定めて投資するようにしましょう。

PERが低くなる

②自社株買いをすることで、ROEが改善される

次に自社株買いで改善される指標の1つは、ROE(株主資本利益率)の値です。企業がいかに効率よく利益を上げているか、「収益性」を分析する指標で、株主資本(株主から集めているお金)をもとにどれくらいのお金を生み出すのか、という経営の効率性を示す指標として知られています。

優良企業は比較的ROEが高い傾向が多く見られ、ROEが「10~20%」の水準を維持していれば優良企業といえます。詳しくは「優秀な企業を見分ける指標は「ROE(株主資本利益率)」!」を参照ください。

では、どのように改善されるかというと、自社株買いを実施することで、自己株式が増え、発行済み株式が減少し、株主資本が減少し、ROEが上昇します。

  • ROE = 純利益 ÷ 株主資本(%)

具体的に見て行きましょう。

A社の純利益が1,000万円、株主資本が1億円であったとします。この場合、ROEは「1,000万円 ÷ 1億円 = 10%」となります。自社株買いを行うことで、発行済み株式が減少し、株主資本が減少します。仮に自社株買いの影響で株主資本が8,000万円まで減少すれば、ROEは「1,000万円 ÷ 8,000万円 = 12.5%」とROEが上昇し、収益性が良くなったと判断できるようになります。

ROEが高くなる

③自社株買いが、株式の需要を高くし、株価が下がりにくくなる

自社株買いは、実際に証券取引所で売買できる株式の「浮動株」を企業が購入し、「自己株式」へと変更します。つまり証券取引所で実際に株式を取得することになるので、株式の需要が高くなり、買い圧力が高まります。また浮動株が減少することで、株式を売却する投資家が減る、つまり株式の供給が低くなり、売り圧力が弱まります。

このように、自社株買いを実施する企業の株価は、下がりにくくなる傾向があります。

株取引で利益をあげる人の『自社株買い』の考え方

まとめとして、利益をあげる人の動向をまとめました。利益をあげる人の中でも様々なスタイルがあると思いますが、自社株買いを実施する企業に関わる共通したルールや考え方は以下になります。

  • 自社株買いを実施した企業は株価が上昇する傾向がある
  • 自社株買いにより、PER、ROEなどの株式指標が改善され、企業価値を高まる
    • 自社株買いにより、PERは減少する
    • 自社株買いにより、ROEは上昇する
  • 自社株買いによる株価上昇は、自社株買いする前のPER付近を目標として、株価が変動する
  • 自社株買いにより株式の需要が高くなり、株価が下がりにくくなる

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