【株式投資の教科書】株価が上下する仕組みとその理由

【株式投資の教科書】株価が上下する仕組みとその理由

株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介していきます。今回は初歩の初歩、株価が『上下』する理由を簡単に説明します。

株価ってなに?

株価とは、株式(=株)の購入希望者と売却希望者の要望が一致し、売買が成立したときの株式の値段になります。詳しくは「【株式投資の教科書】 『株価』ってどうやって決まるの?」を参照ください。

株式を持っている人は、株価が上がれば得をするし、下がれば損をします。株価が上がった時に、株式の購入希望者に売却することで、利益を上げることができるため、投資家全員が株価の上下の動向を注視します。投資家はみんな、保有している株式の株価が上がってほしいと思っております。

では、投資家はどうやって、株価が上がると判断し購入しているのでしょうか。まずは、株価が「上下する仕組み」を理解しましょう。

株価が「上下する仕組み」とは

株価が「上下する仕組み」を手っ取り早く理解するには、インターネットなどのオークションの仕組みをイメージすることが、一番の近道です。オークションでほしいものを買うとき、いくらまでお金を支払えますか?みなさん、新品であれば定価より安ければ購入を検討するのではないでしょうか。

しかし、次の商品Aの場合はどうでしょう。

<商品Aの内容>

  • 商品Aは定価5,000円で限定50品しか販売されていない
  • 商品Aは大人気で、お店ではすべて売り切れ、オークションでしか手に入らない

この場合、オークションでは定価の5,000円以上で取引されることがほとんどです。購入希望者は、5,000円以上の価値があると判断した場合、定価以上の値段で落札をします。このように、オークションでは、商品の条件次第で値段が変わります。定価以上の価値が生まれる場合もあれば、生まれない場合もあり、商品の値段が上下します。

実は、株価も全く同じです。今の株価以上の価値があると判断した場合、定価以上の値段で、株式の購入します。逆に今の株価以下の価値しかないと判断した場合、定価以下の値段でも、株式を売却します。実際は株価に定価はなく、様々な指標を基に株価が割高か割安かを判断します。その指標について、詳しくは「「PER」にだまされるな!」を参照ください。

株価が「上下する仕組み」については、なんとなくイメージできたでしょうか。では次に株価が「上下する理由」を紹介します。

株価が上下するときの理由

需要と供給

株式をほしいと思う人が多ければ、もちろん株価は上がるし、こんな株式いらないと思う人が多ければ、もちろん株価は下がります。株価は購入希望者(需要)と売却希望者(供給)で決まるため、全ては需要と供給で決まります。

いくつか、株価が上下する(需要と供給のバランスが動く)例を紹介します。まずはわかりやすい例から。

業績が好調、もしくは不調

業績が好調ということは、売上が上がりやすい、利益が出やすい状態であるため、需要が多くなります。つまり株価が上がりやすいことになります。逆に不調ということは、売上が芳しくない、利益が出にくい状態であるため、需要が少なく、株価が下がりやすいということになります。

配当率が高い / 低い、株主優待の内容が変更

業績の好調でなくても、年利5%などの配当率が高い株式や株主優待を大きく改善したりした株式に関しては、銀行にお金を預けるより割がいいため、株式の需要が多くなり株価が上がります。ただし、倒産寸前などの会社の場合は別です。配当が廃止されたり低くなったり、株主優待が廃止されたりした場合、株式の需要が少なくなるため、株価が下がりやすくなります。しかし、業績ほど影響は少ないため、一つのオプションとしてとらえたほうが良いでしょう。

次に少し複雑な例について紹介します。

会社が新商品を発表した

一見、新商品の発表は、需要が多くなりそうと思えます。実際に需要が多くなることもありますが、その新商品は本当に利益を生み出すものなのか、という判断が必要になります。売れそうにもないような新商品の場合、逆に需要が減り、株価が下がることもあります。

合併や買収

株式会社の合併や買収(M&A)で、売上が促進し企業の価値が高まることが期待できた場合、株価が上がります。しかし、合併先や買収先次第で、企業価値が下がることもあるため、株価が下がることもあります。

このように需要と供給のバランスが崩れるときに、株価は上下します。株式の需要が増えるときは買うべきですし、株式の供給が増えるときは売るべきです。

実例を紹介!

実際に「Pokemon GO」という新商品の情報で、任天堂の株価が乱高下することがありました。当初「Pokemon GO」による任天堂の業績への影響はほとんどないとみられておりました。理由として「Pokemon Go」は持分法適用関連会社の「株式会社ポケモン」の商品のため、連結業績に与える影響は限定的とみられていました。しかし、世界的なヒットコンテンツである「ポケモン」の初のスマートフォンアプリのため、影響が少ないとわかっていても、期待に期待が重なり株価が上がっていきました。さらにアプリリリース後、圧倒的人気でどの国でもセールストップを記録し、さらに期待が重なり、株価が急騰しました。

これが新商品による影響で需要が増加し、株価が上がる例になります。

しかし、話はこれだけでは終わりません。この事象を懸念した任天堂は、「『Pokemon GO』の配信による当社の連結業績予想への影響について」と題してコメントをリリースしました。内容は「株式会社ポケモンは、持分法適用関連会社であるため、当社の連結業績に与える影響は限定的であり、『Pokémon GO Plus』の製造及び販売を予定しているが、これらは、4月27日に公表した連結業績予想に織り込み済みのため、直近の状況を鑑みても、現時点では、当業績予想の修正は行わない」というものでありました。まさに「需給は一夜にして変わる」と言わんばかりに、発表後は株価が急降下。期待して株式を購入した株主が悲鳴を上げた瞬間でありました。

これが新商品による影響で需要が減少し、株価が下がる例になります。

まとめ

  • 株価(=株の値段)が上下する仕組みは、オークションと同じ
  • 株式の需要と供給のバランスが崩れるときに、株価は上下する

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