【株式投資の教科書】空売りとは!?

【株式投資の教科書】空売りとは!?

株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介します。

今回は「空売り(信用売り)」について簡単に説明します。「空売り」を上手に活用できれば、株式投資でどんな局面でも利益を出せるため、株式投資をするのであれば「空売り」に関して知っておいて損はありません。

空売りとは?

株取引の「空売り」とは、信用取引における取引方法の一つで、証券会社から株式を借りて売却し、その株式を買い戻した時点の差額で利益や損失が生じます。通常の現物株取引は購入後に売却するのに対し、真逆である株式を売却して買い戻す(購入する)ため、株価が上がっ時ではなく、下がった時に利益が生じることが最大の特徴です。

簡単にいってしまうと、株価が下落した時に、利益を得ることができます。

空売りは信用取引の一つになるため、信用取引口座が必要になり、証券会社に利用を申し込み承認を得て、取引が可能になります。大概はWeb上で申し込みが可能で、1時間もあれば十分申請は可能です。ただし、申請には条件があり、「株式投資歴が1年以上」である人だけが信用取引口座の申し込みが可能になります。

また空売りは証券会社が定めた銘柄でのみ行うことができるため、すべての銘柄で空売りができるわけではありません。

空売りの仕組み

空売りのメリット

空売りの最大のメリットは「株価が下がる局面で投資ができる」ことです。相場が悪く株価が全面安の時は、通常の現物株取引では利益を上げることができません。もし株式を保有している場合は、相場が回復するまで我慢するか、保有している株式の利益確定やロスカットを行い手を引くかのどちらかの選択を求められます。しかし、空売りが可能であれば、新たに『空売りをして利益を得る』という選択が増えます。このように、どのようなシチュエーションでも利益を生み出せるため、空売りを利用できることは相場が悪い時に非常に大きなメリットになります。

また、「リスクヘッジとして利用できる」ことも大きなメリットになります。市場全体が弱い時、業界が下火の時など、企業の業績とは関係なく株価が下がるときがあります。業績好調である企業の株式を保有していても、相場の影響を受け株価が下がり損失を出してしまうことは多々あるでしょう。そういったリスクを避けるために、投資信託で空売りを行いつつ、業績好調である企業の株式を購入すれば、相場の影響で保有している株式の株価が下がり損失が生じても、投資信託の空売りで利益を得ることができ、損失を相殺もしくは軽減することができます。

空売りのデメリット

空売りのデメリットは、なんといってもリスクが高いことです。「買いは家まで、売りは命まで」という恐ろしい株式投資の格言があるくらい、空売りのリスクは高く、理解する必要があります。ではどのようにリスクが高いのでしょうか。

まず定石通り、現物株取引などで株式を購入した(買った)場合、株価が「2倍」になったら購入時の値段相当の利益、「10倍」になったら購入時の値段の「9倍」の利益を得ることができます。逆に株価が「0円」になっても、購入時の値段と同等の損益ですみます。

次に、信用取引の空売り(信用売り)で株式を売却した(売った)場合、株価が「0円」になったら売却時の値段と同等の利益を得ることができます。しかし、株価が「2倍」になったら売却時の値段と同等の損失、「10倍」になったら売却時の値段の「9倍」の損失、「100倍」になったら売却時の値段の1「99倍」…といったように、損失額に制限がありません。

つまり、空売りの損失は青天井になります。それが最大のリスクであり、デメリットになります。もしロスカットが苦手でよく塩漬けしてしまう方であれば、取引を控えたほうが良いでしょう。具体的な事例は、次項で説明します。

具体例

具体的な例を見てみましょう。投資家が空売りをするときの流れを説明します。

  • 空売り(信用売り)
  • ①投資家が証券会社から銘柄Aの株式を100株借りる
  • ②投資家が銘柄Aの株式を100株1,000円(10万円)で売却する

銘柄Aの株価が下がった場合

  • ③銘柄Aの株価が500円まで下がる
  • ④投資家が銘柄Aを100株700円(7万円)で買い戻す(購入する)
  • ⑤投資家が証券会社に銘柄Aの株式を100株返却する
  • ⑥投資家は3万円(10万円-7万円)の利益を得る

銘柄Aの株価が上がった場合

  • ⑦銘柄Aの株価が1,300円まで上がる
  • ⑧投資家が銘柄Aを100株1,300円(13万円)で買い戻す(購入する)
  • ⑨投資家が証券会社に銘柄Aの株式を100株返却する
  • ⑩投資家は3万円(10万円-13万円)の損失が出る

大まかな流れは以上になりますが、前項で述べた空売りのリスクの具体例を紹介します。

銘柄Aの株価が『10倍』まで上がった場合

  • ⑦銘柄Aの株価が10,000円まで上がる
  • ⑧投資家が銘柄Aを100株10,000円(100万円)で買い戻す(購入する)
  • ⑨投資家が証券会社に銘柄Aの株式を100株返却する
  • ⑩投資家は90万円(10万円-100万円)の損失が出る

銘柄Aの株価が『100倍』まで上がった場合

  • ⑦銘柄Aの株価が100,000円まで上がる
  • ⑧投資家が銘柄Aを100株100,000円(1,000万円)で買い戻す(購入する)
  • ⑨投資家が証券会社に銘柄Aの株式を100株返却する
  • ⑩投資家は990万円(10万円-1,000万円)の損失が出る

このように、空売りをして、塩漬けになり、破産してしまう人は非常に多いです。空売りの損失は青天井ということを理解して、なるべく早いロスカットを実施することをオススメします。

まとめ

  • 空売りの最大のメリットは「株価が下がる」局面で投資ができることである
  • 空売りは「リスクヘッジ」としても利用できる
  • 空売りの損失に制限はない(=損失が莫大になる可能性があるためリスクが高い)
  • 空売りはロスカットできない人に向いていない

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