「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」の4つのトリビア！~第二部が最終回の1話だった？~

週刊少年ジャンプ本誌に1995年～1997年まで連載され、日本のギャグマンガ史に名を残したマンガ「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」。わずか2年たらずの連載だったにも関わらず「ギャグマンガは、マサルさん登場以前と、マサルさん登場以降に分けられる」と言われるほど、全ての若いギャグマンガ家に絶大な影響を与えた作品です。作者のうすた京介は、マサルさんの後にも「ピューと吹く！ジャガー」や「フードファイタータベル」など、人気の作品を次々に発表し続けています。

今回は「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」に関する4つのトリビアをご紹介しましょう。連載当時マサルさんに魅了されていた皆さん、このトリビアをいくつ知ってましたか？

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意外に知られていませんが、マサルさんは二部構成のマンガです。ストーリーを部ごとに分ける手法は、ジョジョの奇妙な冒険などが有名ですね。とはいっても、マサルさんの二部構成は、ほとんど意味を成していません。全79話あるうちの第78目までが一部で、最終回のみが二部と位置づけられているためです。ストーリーを分かりやすくするために二部構成にしたというよりは、なんとなく二部構成にしてみたといった感じです。

ちなみに第二部は「地獄校長編」となっており、突如現れ学校を乗っ取った「ジゴック先生」を倒すためにマサルたちが奮闘するというエピソードでした。結局、老齢だったジゴック先生はマサル達が何もする前に寿命で死んでしまい、マサルが「勝った…！」と言うシーンで二部は幕を閉じます。あまりに無茶苦茶な展開に、連載当時はまさかこれが最終回だとは気付かず、あとで驚いた読者が多かったようです。

タレントの西村知美さんは、自他共に認めるマサルさんの大ファンとして知られています。なんと、連載当時には自費でマサルさんの単行本を大量に買い込み、余白をメモ帳替わりに使っていたというほど。誰かにメッセージを残すときはマサルさんの単行本をメモ帳代わりにして各所にバラまくことで、作品の知名度を上げようと考えていたのだそうです。西村知美さんは、メモした文章に「ついでにこのマンガを読んでおいてください」と書き添えていたことも話しています。

ちなみにマンガの連載が終了した後、1998年にはTBSで「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」のアニメ版が放送されているのですが、アニメ版の題字は西村知美さんの直筆で書かれ、題字の横にはちゃっかりと（題字　西村知美）の文字がありました。

「すごいよ!!マサルさん」の最終回は突然迎える！

何かと「伝説のマンガ」として語られるマサルさんですが、実はその連載期間は長くありません。連載されていたのは約2年間で、単行本も7巻までしか発刊されていないんです。

最終巻となって単行本7巻を読んでみるとわかりますが、ストーリーも突然終わっています。ギャグマンガなので伏線があったというわけではありませんが、多くの謎は残ったままになっています。よくある打ち切りマンガのように面白さが失われたというわけでもなく、人気絶頂のまま突然終了したという形になっています。

実際に、マサルさんの連載はジャンプ編集部に打ち切られたわけではありません。編集者に連載の可否を決める権限があるジャンプ作品にしては珍しく、作者のうすた京介の意向によって連載終了したのです。

「すごいよ!!マサルさん」の最終回は「うすた京介」の多忙によるもの！

マサルさんの連載終了は、うすた京介が多忙で精神的に追い込まれたことによるものです。最終回の執筆時点ではアニメ放送の開始も決まっており、単行本の売り上げも上々、まさに漫画家としては順風満帆でした。しかし、もともと半年に一本しかネームを描かないほど遅筆であったうすた京介の体力は、日本中で起きたマサルさんブームにより限界を迎えてしまいます。連載後半には、全ての原稿を投げ出して脱走しようとしたこともあるようで、「ここでやめないと2度と立ち直れなくなる」と感じたうすた京介は無理やり連載を終了させたのです。

後に「決断が間違っていたとは思わない」と語ったうすた京介ですが、その言葉通り、体力を回復させたあとのうすた京介は「ピューと吹く！ジャガー」などの良作を生み出し続けています。もし無理をしてマサルさんの連載を続けていたら、今頃うすた京介の新作は読めなくなっていたかもしれませんね。

うすた京介の作品には、前作までのキャラクターが登場することがあります。本編ではなくスピンオフ作品的な扱いですが、これまでの主人公が共演する姿はファン垂涎です。

「ピューと吹く！ジャガー」のファンブックに収録されている「ピューと吹く！すごいよ武士沢」というエピソードでは、マサルさん、ジャガーに加え、武士沢レシーブの主人公である武士沢も共演しています。電車で乗り合わせたマサルさん、ジャガーさん、武士沢の3人が、お互いにシンパシーを感じて微笑みあうというストーリーでした。このエピソードにはマサルさんのツッコミ役であるフーミンと、ジャガーのツッコミ役であるピヨ彦も登場します。

また、2016年にジャンプ本誌に掲載された特別読み切りでは、これまでのうすた作品のキャラクターが総出演する豪華なエピソードが展開されました。このエピソードは、2016年から「ジャンプ＋」で新たに始まった「フードファイタータベル」を紹介するために描かれたものだったようです。

いかがでしたか？「すごいよ!!マサルさん」には、話もぶっ飛んでいましたが、構成や歴史もいろいろぶっ飛んでいたことが伝わったかと思います。うすた京介さんの作品に今後も注目していきたいですね！