【宇宙世紀100年の歴史】一年戦争の始まりから終わりを年表で徹底解説!! その⑥

【宇宙世紀100年の歴史】一年戦争の始まりから終わりを年表で徹底解説!! その⑥

はじまりから35年以上をむかえ、今なお新作が生まれ続けている『機動戦士ガンダム』シリーズ。元祖となるファーストガンダムから続く宇宙世紀を舞台にした作品だけでなく、現在ではさまざまな世界観のガンダムが存在します。そんなガンダムシリーズでも不動の人気を誇る宇宙世紀シリーズから「これを知ればガンダムが10倍おもしろくなる!!」宇宙世紀100年の歴史についてご紹介します。

前回までのあらすじ

ジムの量産を機に、戦争は一気に連邦へと傾いていました。この勢いを利用して連邦はジオンの最重要拠点のひとつ『ソロモン』の攻略を開始します。このとき連邦は、この戦争のもうひとつの切り札である対宇宙要塞攻略兵器『ソーラ・システム』を実践投入します。それによりソロモンに甚大な被害を与えたものの、ジオンが開発を進めていた大型モビルアーマー『ビグ・ザム』を前に苦戦を強いられます。『Iフィールド』というビームを無効化する磁場によって、ビグ・ザムに致命傷を与えられずにいた連邦でしたが、スレッガー中尉の身を挺した特攻によってビグ・ザムの撃破に成功します。最重要拠点のひとつを失ったことで敗戦も見えていたジオン軍は、ついにニュータイプの能力を使った兵器を実践へ投入するのでした…

再会、シャアとセイラ(宇宙世紀0079 / 12月25日〜12月26日)

ソロモン攻略戦の後、脱出したジオンの残存部隊掃討の任に就いていたホワイトベース隊はテキサス・コロニー付近で、かつてジオンの地球軍を指揮していたマ・クベの奇襲を受けます。マ・クベはキシリアに頼んで、自分専用のモビルスーツを開発していました。それが印象的な盾を装備した『ギャン』です。マ・クベは戦略上の価値がないとして放棄されたテキサスを利用して多数の罠を仕掛けていました。マ・クベに誘い込まれる形でテキサス・コロニー内部に入ると、中は砂漠化が進み荒れ果てていました。人の手によって作られた大地は、人の介在がなければ太陽光ミラーの調節もできず、たちまち荒れてしまうのです。コロニー内にも多数の罠をしかけていたマ・クベでしたが、既にニュータイプの能力を駆使していたアムロには通用せず、ギャンは撃墜されてしまいます。

その頃、テキサス・コロニー内にはシャアもきていました。そのときシャアは、ジオンがガンダムを意識して開発した新鋭機『ゲルググ』に搭乗していました。あえて物陰からの攻撃を仕掛けるなどしてアムロのニュータイプの能力を確かめていました。このときから、『ニュータイプ』の概念に迫るようになります。また、シャアはテキサス・コロニーで『セイラ・マス』としてホワイトベース隊の一員になっている実の妹『アルテイシア・ソム・ダイクン』と再会します。

再会、シャアとセイラ

初めこそ、お互いが『キャスバル』と『アルテイシア』であることに気がつかなかった二人でしたが、シャアが仮面を外し、セイラが言葉を交わすことで、二人はお互いがキャスバルとアルテイシアであることを認識することになります。アルテイシアが連邦に所属していることを知ったシャアは、父ジオン・ズム・ダイクンの末期を回想しながら『ニュータイプの理念』について語ります。兄であるシャア(キャスバル・レム・ダイクン)のこれまでの行動が、単に復讐のためだけでなく、父の理想を叶えるための行動であったと知ったセイラは、それに対し「ニュータイプは人類全体が変わるべき理想のタイプだと教えてくれたわ。だったら、ニュータイプを敵にする必要はないはずよ」と反論しますが、既に兄キャスバルの意思は硬く、その声は届きませんでした。

ニュータイプ、シャリア・ブル(宇宙世紀0079 / 12月25日〜12月27日)

シャリアブル

ギレン・ザビは木星帰りのニュータイプ『シャリア・ブル』をキシリア・ザビ配下のニュータイプ部隊へと送ります。シャリア・ブルは、それまで若年層に多く発生例が見られたニュータイプのパイロットとしては、後のガンダムシリーズを通しても異色の存在でした。また、さまざまな要因によって情緒不安定な性格の多いニュータイプにおいて、その落ち着いた性格も珍しいものでした。シャリア・ブルはそのニュータイプ能力を駆使して有線式の攻撃端末を使ってガンダムにオールレンジ攻撃を仕掛けます。このときの攻撃端末をつかった兵器が、ニュータイプの能力を兵器として使った最初の実例でした。

この戦いによりアムロはかつてない苦戦を強いられ、からくも勝利しますがガンダムはオーバーヒートしてしまいます。これにより、ガンダムの反応速度がアムロについていけなくなっていると判断したモスク・ハン博士は、ガンダムに『マグネット・コーティング』を施すことを提案します。マグネット・コーティングとは、関節の可動摩擦面に磁力コーティングを施すことで、その抵抗を減らし、モビルスーツの反応速度を向上させるものとされています。また、この処理をおこなったガンダムの反応速度は従来の3倍以上であると言われています。しかし、一年戦争以降は量産機でさえこの処理が施されるようになったため、改めて語られることはなく、その有効性も相対的に消滅してしまいます。

光る宇宙(宇宙世紀0079 / 12月27日〜12月29日)

光る宇宙

マグネットコーティングを施したガンダムは、ララァが乗る大型モビルアーマー『エルメス』に遭遇します。先の戦いでシャリア・ブルが乗っていたブラウ・ブロは、ニュータイプ専用機と言いつつも一般のパイロットでも操縦が可能でした。しかし、エルメスはその思想を更に押し進め、完全なるニュータイプ専用機として『フラナガン博士』らによって開発されました。脳波を利用した『サイコミュシステム』を用いて、機体本体の制御と機体内部に搭載する『ビット』と呼ばれる小型ビーム砲を搭載した攻撃子機を遠隔操作して攻撃します。そのため、コクピット内部は必要最低限の操縦機器のみで、そのほとんどは機体の状態を表示するコンソール類(計器類)となっていました。

キシリア艦隊との決戦を迎え相対するガンダムとエルメス。相手を撃つということは、相手に殺意を向けることであり、ニュータイプの能力によりこれを察知することで、アムロはこれまで幾度も危機を乗り越えてきました。しかし、ビットの攻撃を避けて撃ち返そうとするアムロの殺意もまた、サイコミュを通じてララァへと逆流してしまいます。そうして互いに意思の交流を続けるうちに、二人の関係はやがて愛にも近いものになっていきます。ララァはこのとき「出会うのが遅すぎた」と言っています。これは、シャアと出会う前に会いたかったとも取れる発言であり、逆にシャアを一番に想っていることも示しています。

その後、戦闘を通じて互いの意思を確かめ合うアムロとララァに対し「奴との戯言はやめろ」とシャアがゲルググに乗って介入しますが、ガンダムの意識して作られたハズのゲルググを持ってしても、マグネット・コーティングが施されたガンダムには苦戦を強いられます。そこへさらに、兄の行動を止めようと間に入った妹セイラをシャアは、単なる連邦の一兵士と勘違いして撃墜しようとします。実の妹を殺しそうになるシャアをララァが止めに入ります。その隙をついてアムロはゲルググの左腕を切り落とします。そして、そのまま「シャア、覚悟!」ととどめを刺しにかかりますが、そこでララァがシャアを庇ってガンダムの攻撃をコックピットに直撃を受けてしまいます。そして「ああ…アムロ、刻(とき)が見える」という言葉を残して、その肉体は消滅してしまいます。これまで、どんなことがあっても冷静で、感情を表に出すことはなかったシャアも、このときばかりは感情を抑えきれず操作パネルを叩き、涙したのは後にも先にもこのときだけでした。

次回はついに一年戦争の最終決戦。この戦争の勝敗は?アムロとシャアの戦いの行方は?そしてシャアはザビ家への復讐を果たすことはできるのでしょうか…?

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