【株式投資の教科書】短期投資をするなら知っておきたい「ドレッシング買い」について

【株式投資の教科書】短期投資をするなら知っておきたい「ドレッシング買い」について

株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介します。今回は、短期投資をメインとする投資家には知っておいて損はない「ドレッシング買い」について紹介します。

「ドレッシング買い」とは?

決算

ドレッシング買いとは、企業やファンド(投資信託)などが決算期末に決算の内容をよく見せるため、対象企業の株式を購入することを言います。ドレッシング買いは、自分の「お化粧買い」とも呼ばれ、「自身を着かざる・美しく見せる」という意味の「Dressing(ドレッシング)」が語源となっています。

企業やファンドなどが決算の内容をよく見せるには、自ら保有株を買い増しを行い株価を上げます。特にファンドの場合は、巨大な資金にものを言わせ株価を押し上げるため、それなりに出来高は増え株価は大きく上昇します。

株価が上がった時期に注意しよう!

何かの材料があり株価が上がった場合、特に意識する必要もありませんが、何の理由もなく株価が上がったのであれば、時期を確認しましょう。月末、特に決算期末であれば、要注意です。企業やファンドが決算の内容をよく見せるための「ドレッシング買い」の可能性があります。

また、ある程度ベテランの投資家になれば、ドレッシング買いの可能性が生じると、株式の購入を意識し始めます。そして投資家の意識が株式の購入を呼び、さらに投資家の株式の購入の意識が高まることで株式の購入を呼ぶため、月末、特に決算期末の株価は上がりやすくなる傾向があります。

ドレッシング買いに便乗するのであれば、欲を出してはいけない!

月末、特に決算期末のドレッシング買いに便乗するのであれば、本質を忘れてはいけません。ドレッシング買いはあくまで、企業やファンドが決算の内容をよく見せるためです。つまり、月末や決算期末のみの上昇の可能性が高く、その後は株価が元に戻る可能性を秘めています。

そのため過度の期待はせず、投資するのであれば短期投資に割り切って投資した方が良いでしょう。月が変わり株価が下がり出せば、欲を出さずに株式を売却することをオススメします。

ドレッシング買いを見極める方法!

ドレッシング買い難しい

ドレッシング買いは、株価の動き出しだけで判断します。しかし、その動きを見極めることは非常に難しい現状があります。株価が上がり出したとして、それが企業やファンドの株式の購入によるものなのかが明確にわかるわけではないためです。

また、そもそも企業やファンドが月末や決算期末に大量の株式を購入したとして、それがドレッシング買いなのか、それとも通常の株式の購入なのか、真意は企業やファンドにしかわかりません。さらに、企業やファンドがどの銘柄にドレッシング買いを行うのかも予想するのは非常に困難です。

月末に大量の購入があり、その後また株価が元に戻った結果を見て、ドレッシング買いだったのだろうと憶測として判断するしかありません。このようにドレッシング買いを見極めるのは非常に難しいため、月末や決算期末に株価が上がりやすい傾向があると認識しておけば問題ないでしょう。

ドレッシング買いの補足情報

ファンドは外資系が多い

日本の決済が集中する3月末にドレッシング買いが多いとされていますが、ファンドは外資系が多いこともあり、外資系の決算が多い6月末や12月末にもドレッシング買いが多いとされています。

実際のデータを紹介

日本の決済が集中する3月末の検証結果について、一例を紹介します。

項目 内容
検証対象 全銘柄
検証期間 1990/03/01~2017/1/31
勝率 54.73%
平均損益 +2%
参照記事 https://allabout.co.jp/gm/gc/467573/

3月は株価上昇しやすい傾向があるようです。25年以上の過去データを用いて検証した結果からもわかるように、総合的に見て上昇しやすい傾向があると言えるでしょう。

月末はただの給料日後だからという都市伝説も!?

投資家がドレッシング買いを意識し、株式の購入の意識が多くなり、株式の購入が促進することは述べましたが、単純に月末は給料日の後で資金面で余裕がある人が多いため、株式の購入へ繋がるという都市伝説もあります。そもそもドレッシング買いの根本を否定する都市伝説ですが、月末の株価上昇の要因の一つとして給料日の後だからというのはあながち否定できないかもしれません。

まとめ

  • ドレッシング買いとは、企業やファンド(投資信託)などが決算期末に決算の内容をよく見せるため、対象企業の株式を購入すること
  • ドレッシング買いは、月末、特に決算期末に多く、3月末(日本の決算が集中)、6,12月末(外資系決算が集中)が特に多い傾向がある
    • 過去25年以上にわたる3月の株価上昇を計測した結果、平均2%上昇していた
  • ドレッシング買いに便乗するのであれば、短期投資と割り切って投資をするべき
  • ドレッシング買いを初動で判断するのは難しいため、月末や決算期末に株価が上がりやすい傾向があると認識しておけば問題ない

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