【株式投資の教科書】株式分割後に株価が上がる理由
株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介します。今回は、株価が上がりやすくなったりメリットが大きいと言われる「株式分割」について紹介します。
「株式分割」とは?
株式分割とは、1株の株式をさらに細かく分割することを言います。例えば、2分割の場合は1株が2株になり、10分割の場合は1株が10株になります。
株式分割しても、企業価値が変わるわけではありません。そのため、株式分割して株式数が増えた場合、逆に株価は分割数で割った値に減少します。例えば、1株100円の株式銘柄を10株保有していた場合、その株式銘柄が2分割に株式分割したら、保有株式数は20株になり株価は1株50円となります。
上述したように株式分割で企業の価値が変わるわけではないので理論上は株価への影響はありませんが、株式投資家からは株式分割は非常に注目されています。理由は株式分割した銘柄は株価が上昇する傾向があるからです。
ではなぜ株価が上昇する傾向があるのでしょうか。
「株式分割」で株価が上昇する理由
画像株価が上昇する理由は、大きく分けて3つの理由があります。
資金運用の自由度が高まる
例えば、1株保有していたのが2株に分割した場合、手元に2株保有していることになります。何かの理由ですぐにお金を用意する必要が生じた場合、もし分割前であれば1株すべて売却する必要がありますが、分割後であれば半分(1株)売却し、残りの半分(1株)は保有し続けることができます。
少しずつ株式を売却したり、少しずつ株式を購入したり、資産運用の選択肢の幅が広がることでより株式を保有する期間が長くなる傾向があります。つまり、株式を売却されにくくなる傾向があり、株価が上昇しやすくなります。
株式を購入しやすくなる
株価100万円する株式銘柄の場合、1株を購入するには最低100万円の資金が必要になります。資金に余裕が有る投資家であれば問題ないですが、一般投資家の場合は、資金を用意できなかったり、資金を用意できてもその銘柄以外に投資する余裕がなくなったり、資産運用するのが難しくなってしまいます。
そういった株式銘柄が株式分割した場合、2分割であれば50万円、10分割であれば10万円の資産で株式を購入することができます。より多くの投資家が株式購入の検討対象とすることができるため、株式を保有する投資家が増える傾向があります。つまり、株式の購入が促進する傾向があり、株価が上昇しやすくなります。
株式売買の流動性・出来高が高くなる
上述したように、株式の取得単価が下がることで、株式の購入が促進します。これにはもう一つ効果があります。
買い注文が増えることで、気配値(板)が分厚くなります。つまり、株式を購入したい時に購入でき、株式を売却したい時に売却しやすくなるので、デイトレードなどの短期筋の投資対象銘柄になることができます。短期投資家がトレードに加わることで、売買の流動性が増します。つまり、出来高が高くなります。
出来高が高くなることで投資家からさらに注目され、そして株式の購入が促進する、と好循環になり株価が上昇しやすくなります。
株式分割しそうな株式銘柄を見つけよう!
上述したように株式分割は、株価が上昇しやすくなる傾向があるため、株式分割する銘柄は投資家に注目されます。株式を分割しそうな銘柄をどのように探すのでしょうか。
答えは単純です。最低購入価格が高い株式銘柄を探しましょう。最低購入価格が50万円を超えるような株式銘柄の場合、株式分割を検討している可能性が高くなります。そしてもう一つの特徴と言えるのが、成長株に多いことです。特に新興市場の銘柄は成長著しい企業が多く、株式分割を検討している企業が多い傾向があります。
購入のタイミング
発表前から買いを仕込めるのがベストですが、株式分割のタイミングを計るのは非常に困難です。そのため立ち振る舞いとしては、情報を収集しておいて、いざ発表されてしまっても、まだまだ株価が上がり続けるような買い圧力が強い銘柄を投資対象として検討すべきと言えるでしょう。また、今後も成長が見込める企業であれば、株式分割を発表後一時的な出来高の上昇に伴う株価の変動があり、落ち着いたタイミングで株式を購入しても問題ありません。
発表前後は多少の変動はあるものの、長期的に上昇する傾向があるので、購入するタイミングはそれほど慌てなくても良いことも特徴の一つといえます。
まとめ
- 株式分割とは1株の株式をさらに細かく分割すること
- 株式分割のメリット
- 資金運用の自由度が高まる
- 株式を購入しやすくなる
- 株式売買の流動性・出来高が高くなる
- 株式分割する株式銘柄を事前に発見することは難しい
- 株式分割をする株式銘柄の特徴
- 最低購入価格が高いこと
- 成長著しい企業であること
- 株式の購入タイミング
- ベストは発表前
- 発表後であれば、成長見込める企業の場合出来高が落ち着いたタイミングで購入しても問題ない
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