【株式投資の教科書】短期シグナル「窓開け」と「窓埋め」を利用しよう!
株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介します。今回は、短期トレンドのシグナルとして利用される「窓開け」と「窓埋め(窓閉め)」について紹介します。
「窓」とは?
窓とは、前日のローソク足(始値・高値・安値・終値を使用し、ローソクの形にしたチャート)と当日のローソク足の間にできる隙間(空間)のことを言います。また隙間ができることを「窓開け」といい、後日ローソク足でその隙間を埋めることを「窓埋め(閉め)」と言います。
一般的には、当日のローソク足が前日のローソク足より高い位置で「窓開け」が生じたら、上昇シグナル、当日のローソク足が前日のローソク足より低い位置で「窓開け」が生じたら、下落シグナルとすることが一般的です。
しかし「窓開け」は非常に短期的なシグナルのため、すぐに株価は元に戻ってしまうことが多くあります。そのため「窓開け」の後の上昇がひと段落してしまったら、「窓埋め(閉め)」を意識する投資家が非常に多くいます。
「窓埋め」が生じやすいケース
ではどういった時に窓埋めが生じやすいのでしょうか。
まず「窓開け」は、良いニュースや悪いニュースなど株価に大きな影響を与えるIRがでた時に、生じやすい傾向があります。ここでは良い情報(IR)がでた時を例にもっと詳しく見てみましょう。
良いIRが出て、それが投資家たちの予想をはるかに上回るサプライズであったとき、ストップ高や窓を開けて陽線で取引が終了することが多くあります。この場合は、窓埋めが生じる可能性は非常に低い傾向があります。
逆に良いIRが出たが、それが投資家たちの中ではすでに織り込み済みであったとき、いっときの話題で前場は大きく株価があがったが後場は株価が下がってしまい、窓を開けたものの陰線(始値に対し終値が安いとき)で終わってしまうことが多くあります。この場合は、窓埋めが生じる可能性は非常に高い傾向があります。
つまり「窓開け」の隙間が大きいほど、買いシグナルが強いと言えます。また「窓開け」の隙間が小さく、さらに窓が開けた当日が陰線だった場合、買いシグナルが弱いと言えます。このように買いシグナルの強さによって、窓埋めが意識されるかどうかが変わってくるため、窓埋めはそこまで信頼するべきではないと言えるでしょう。
下に窓を開けた場合は要注意
当日のローソク足が前日のローソク足より低い位置で「窓開け」が生じた場合は注意が必要です。なぜ注意が必要かというと、窓を開けた理由次第ではかなりの可能性で当分の間「窓埋め(閉め)」が生じる可能性がなくなるためです。
前述しましたが、「窓開け」は、良いニュースや悪いニュースなど株価に大きな影響を与えるIRがでた時に、生じやすい傾向があります。下に窓を開ける場合、悪いニュースなどのIRが出た時になります。そのIRが倒産の可能性が秘めたものであった場合、株価が元に戻る可能性はかなり低いと言えるでしょう。そういった場合には、株式を売却してしまうのが良いといえます。
下に窓を開けた理由をしっかりと調査し、下落をねらい空売りするのか、リバウンド(窓埋め)を狙い株式を購入するのか、しっかりと判断するべきでしょう。
「窓開け」や「窓埋め」のシグナルを利用した投資
このように「窓開け」や「窓埋め」は、投資家にとってわかりやすい株式指標と言えますが、それのみで判断できるほど強いシグナルとは言えません。そのため「窓開け+窓開けの理由」といったように、窓開けが生じた理由をしっかりと調査したうえで、上昇/下落シグナルなのか、すぐに「窓埋め」転換するのかを見分ける必要があると言えるでしょう。
「三空叩き込み」と「三空踏み上げ」
ここで「窓」に関わる指標を紹介します。「三空叩き込み」と「三空踏み上げ」です。「空」とは「窓」のことです。
三空叩き込み
「三空叩き込み」とは、予想をはるかに上回る悪材料が出たなど、悪いIRが生じる事で、陰線が4本連続し、さらに各陰線の間に「窓開け」が生じることです。株価底打ちであるケースが多いことより、買いシグナルとなります。
三空踏み上げ
「三空踏み上げ」とは、予想をはるかに上回る好材料が出たなど、良いIRが生じる事で、陽線が4本連続し、さらに各陽線の間に「窓開け」が生じることです。株価が上がりすぎと判断されるケースが多いことより、売りシグナルとなります。
まとめ
- 窓とは前日のローソク足と当日のローソク足の間にできる隙間(空間)のこと
- 当日のローソク足が前日のローソク足より高い位置で「窓開け」が生じたら、上昇シグナル
- 当日のローソク足が前日のローソク足より低い位置で「窓開け」が生じたら、下落シグナル
- 「窓開け」と「窓埋め(閉め)」のシグナルは強いシグナルではないため、短期投資に徹したほうが良い
- 下に窓を開けた場合は理由は必ず調査し、倒産の危険があれば「窓埋め(閉め)」が生じる可能性が低い
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