【株式投資の教科書】銀行預金よりお得な「配当金」と「株主優待」!
株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介します。
今回は株式投資するうえで理解しといた方が得をする「配当金」や「株主優待」について簡単に説明します。
株式投資の配当利回り VS 銀行の金利
銀行の定期預金の金利は、「0.1%」もあれば高金利、「0.2%」は私の知る限りの最高金利といったレベルです。それに比べ、株式投資での「配当利回り」は高い場合「5%」を超えるもの、もっと高いものであれば「10%」を超えるものも存在します。投資金額に配当利回りをかけたものが配当金となるため、「銀行の金利=株式投資の配当利回り」と考えて問題ありません。
金利だけ見ると確か銀行にお金を預けるよりかは、株式投資の方がはるかに効率がよいといえるでしょう。しかし、株式投資には様々なリスクが伴います。それをしっかりと理解した上で、株式投資を行い配当金を得た方がよいです。
まずは仕組みを知ろう
まずは、株式の配当金や株主優待を受け取るための条件を紹介します。
株式投資の場合、配当金や株主優待を得るには「権利確定日」に株式を保有しておく必要が有ります。逆にいうと、その「権利確定日」さえ株式を保有していれば、配当金や株主優待をもらうことができます。
権利確定日に株主になっていればいいので、1年間資金を寝かせる必要はなく、理論上は権利確定日が重なっていない株式会社の数だけ配当金や株主優待を得ることができます。実際は、権利確定日は毎月最終営業日となっているため、年に12回配当金と株主優待を得る機会があります。
次に権利確定日に株主になるためにどうすればいいのか。権利確定日に株式を買ってもダメです。株式の取得後、名義の書き換えに3営業日必要となるため、実際に株式を保有しとく必要があるのは、権利確定日の3営業日前になります。権利確定日の3営業日前を「権利付最終日」といいます。この「権利付最終日」の日に株式を保有した状態で、取引を終了する必要が有ります。
「権利付最終日」に株式を保有して、いつまで持っていればいいのか。実は翌日に株式を売却しても問題ありません。「権利付最終日」に保有していさえすれば、配当金や株主優待を得ることができます。この「権利付最終日」の翌日を「権利落ち日」といいます。
具体的な例
6月30日(火曜日)が「権利確定日」とします。
日程 | 営業日 | 権利 |
---|---|---|
6月25日(木曜日) | 3営業日前 | 権利付最終日 ※株式の保有が必要 |
6月26日(金曜日) | 2営業日前 | 権利落ち日 ※株式を売却してOK |
6月27日(土曜日) | 1営業日前(休み) | - |
6月28日(日曜日) | 1営業日前(休み) | - |
6月29日(月曜日) | 1営業日前 | - |
6月30日(火曜日) | 当日 | 権利確定日 ※株式の保有は不要 |
この場合、6月30日(火曜日)の3営業日前は6月25日(木曜日)が「権利付最終日」になり、この日に株式を購入済みであり、保有した状態で取引を終了する必要があります。「権利落ち日」の6月26日以降は株式を売却してしまっても配当金を得ることができます。
株式投資にはリスクを理解しよう
配当金と株主優待を得ることができても、損をする場合があるのが株式投資になります。株式投資のリスクについて理解しましょう。
購入した時の株価と売却した時の株価次第で、配当金以上に利益を得ることができたり、配当金以上に損をしたりすることがあります。どういうケースかというと、購入時より株価が下がってしまう場合です。事例をあげて説明します。
「1株あたり3円」の配当金の株式会社A
<取引内容>
- ①株式会社Aの権利付最終日に株価100円の株式を100株購入する
- 購入時の配当利回りは「3%」
- ②権利落ち日に株価90円で100株売却する
- 株価が10%下がった状態で売却
- 1,000円の損失
- ③株式会社Aの配当金を取得
- 300円の利益
紹介した事例では、1株あたり3円の配当金が出るため、購入時(※①)の株価100円に対する配当利回りは「3%」になります。この時点での配当利回りは銀行の預金に比べ非常に高く投資すべきと判断して、権利付最終日に株式を購入したはずなのですが、翌日の権利落ち日には株価が10%も下がってしまった状態で売却してしまいました。この場合は株取引で1,000円の損失、配当金で300円の利益と、合計700円の損失という結果になります。
リスクについて
株式投資は常に株価が変動するため、なかなか思った通りに利益を上げられないということがあります。では、長期で株式会社に投資し続けるという選択肢を選んだ場合はどうでしょう。この場合、2つのリスクがあります。
1つ目は、株式会社が倒産するリスクです。この場合はそもそもの資産がなくなってしまいます。たとえ配当利回りが「10%」以上でも倒産のリスクがあれば、絶対に投資するべきではありません。そもそも配当利回りが「10%」を超えるような場合、なんらかの理由で株価が下がって、配当利回りが高くなっている可能性があります。長期投資する場合は必ず、業績や財務状況を確認してから投資判断をした方がよいでしょう。
2つ目は、配当金が変わるリスクです。せっかく安定した業績かつ大手の株式会社を選んだとしても、配当金が変更される可能性があります。業績によるものなのか、経営方針によるものなのか、理由はそれぞれですが、配当金はかなりの確率で変更されるものです。具体例をあげます。
1株あたり3円の配当金の株式会社A
<取引内容>
- ①株式会社Aの権利付最終日に株価100円の株式を100株購入する
- 購入時の配当利回りは「3%」
- ②株式会社Aが配当金を1株あたり1円に変更
- 配当利回りが、「3%」→「1%」に下がる
このように株式投資の状況は常に変化します。もちろんリスクばかりではなく、業績が好調であれば、購入時より株価が上がることもあるし、配当金が上がることもあります。リスクがある分、予想以上に利益を得ることができる場合も多々あります。
では配当利回りで利益を得る場合、どのような株式会社に投資すればいいのか
言葉でいうのは簡単ですが、あえていうと、次の3点を満たす株式会社です。実際に配当利回り狙いで投資する場合の銘柄の選出方法については「配当金ねらいの株式投資は賛否両論!」を参照ください。
- 安定した業績を残しており、倒産の恐れがない
- これ以上株価が下がる可能性が低い、株価が割安
- 配当金がここ10年以上、変更がない
『権利付最終日に株式を購入、権利落ち日に株式を売却』はあまりオススメできない…
本記事の紹介を読んだ人は、次の内容を思いつくでしょう。
- 毎月、配当利回りの高い株式を権利付最終日に購入し、権利落ち日に売る
残念ながら、この方法は誰もが思いつくレベルの投資方法。多くの人がその方法で投資するため、権利落ち日に配当利回り以上に株価が値下がりするケースが非常に多く見られます。権利付最終日が近づくにつれて株価は上昇傾向になり、権利落ち日に上がった分下がることが多く、配当金以上に損をする可能性が高いでしょう。
まとめ
- 配当金と株主優待の権利を得るためには、「権利確定日」の3営業日前の「権利付最終日」に株式を保有していればよい
- 「権利落ち日」以降は株式を売却しても、配当金と株主優待の権利を失うことはない
- 『権利付最終日に株式を購入、権利落ち日に株式を売却』は「権利落ち日」に株価が下がることが多いため、あまりオススメできない
- 長期投資による配当金狙いの場合、株式投資のリスクをしっかりと理解した上で投資すること
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