幽遊白書の大ヒットは、作品の方向性を曲げられたから!?人気作品投票も実施中!
1990年に週刊少年ジャンプで連載が始まった大人気漫画「幽遊白書」は、当初、原作者「冨樫義博」の設定では「オカルトコメディ」という位置づけでした。そんな幽遊白書が大ヒット漫画への階段を駆け上がっていった要因は作品の方向性を曲げられたからだった…!?そこで今回は大ヒット漫画『幽遊白書』のヒットについて謎を紐解いていこうと思います。また、漫画家「冨樫義博」の人気作品投票をやってますのでぜひ投票をお願いします!
まずは、お好きな作品に投票をお願いします!
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実は、幽遊白書は「コメディ漫画」だった?!
本作の主人公で不良中学生「浦飯幽助」は不慮の事故であっさり死んでしまいます。しかし霊界ではこのタイミングでの彼の死は予定外!(不良が子供を助けて死ぬとは霊界でも想定外だったらしいw)そして、幽霊となった彼を再び生き返らせるため、閻魔大王の息子「コエンマ」が「幽助」に試練を与えます。その試練とは「人間界を困らせる妖怪や悪霊を退治する『霊界探偵』となって善行を積みなさい」というものでした。それまで自覚はなかったものの、なかなかの霊力を持っていた「幽助」は、その霊力を妖怪退治の武器となる「レイガン」へと変貌させ、お目付け役の死神少女「ぼたん」と共に世の妖怪・悪霊退治に乗り出します。
…と、ここまでが連載スタート時の設定です。不良ながら(そもそも不良になったのもシングルマザーという家庭環境で苛められていたというありがちで瑣末な理由)曲がったことが嫌いで実は誠実で真っ直ぐな性格の主人公「幽助」(少年マンガでは王道の性格設定ですね)が、「ぼたん」とハチャメチャでギャグを交えつつ、また同級生で「幽助」に想いを寄せていた「蛍子(けいこ)」とのラブコメ要素も加えながら毎回妖怪や悪霊を退治していく…
しかし!!
ジャンプ新連載作品によくよくありがちなのですが、こうして始まった「幽遊白書」も、物語に大きなうねりも変化もないまま話数が進んで行くといわゆる「マンネリ状態」に陥り、ジャンプでの最大のハードル「読者アンケート」にて好票が取れないと、段々と掲載が後ろの方に(人気作品から「巻頭カラー、中盤2色カラー、あとは前から順番に掲載」というのが週刊漫画の掲載方法です)下がっていく事態に。そこで、編集部は、魔法の…いや、悪魔の「あの手」をぶっこんできます。作家泣かせのその手とは…
作家の世界観も作品方向性などを無視!恐怖の編集部からの『テコ入れ』
マンネリ化した状態を打破しようと、当然、当時の原作者「冨樫義博」も思い悩んでいたでしょう。なんとか自分の思い描いていた作品の世界観の中で読者をキャッチできる新たな展開はないものか。新しいキャラクターを絡めてみるか、などさまざま…
しかし、そんな原作者の意向をぶった斬って、編集部は容赦なく「テコ入れ」…。つまり、人気の下がった作品を持ち上げ直すための「編集部からの方向性の変更の提案」を持ちかけてきます。いえ、現実は「持ちかける」なんて生易しいものではなく、完全に上からの「トップダウン」です。乱暴に言えば「こうしろ」と言われるのです。
作家としては悔しいことこの上ないでしょう。しかしそれに従わなければ「連載打ち切り」。涙をこらえて奥歯をギリギリ噛み締めて苦渋の選択に従うことになります。作家(漫画家)は「クリエーター」であるはずなのに、こんな状況ではしがないサラリーマンとかわりませんね。現実の厳しさに打ちひしがれます。しかも「週刊少年ジャンプ」ではテッパンの「王道テコ入れ」。その方向性とは…
バトル漫画に方向転換!そして読者投票UPの魔法の展開とは!?
ちょっとオカルト、ちょっとラブコメ、で始めたはずだった「幽遊白書」。それが、いつの間にかの無理やりな急展開でいきなりバトル漫画へと意向していきます。詳細は少し省きますが、いきなり魔界で「暗黒武術会」というトーナメント戦で戦うことになります。
そう!「トーナメント」!!
このジャンプ王道の「トーナメント戦」という展開が、魔法の、そして悪魔の「テコ入れ」なのです。さらに「ジャンプ王道」はまだまだガンガンにぶっこまれます。
- かつての敵が味方になりチームを組む
- 「最強の敵」→「一回は負ける」→「修行!!」→「ギリギリ勝つ」
などなど。
そこで、作者は元より編集部も予想外だったのが、「敵が味方」になったキャラで、後に「幽助」のチームメイトとなる、「飛影」と「蔵馬」という美形少年2人が、女子読者から圧倒的支持を受けて大ブレイク!美形ということで同人誌などで人気が爆発し、彼ら2人の絡み作品が乱発されました。原作者「冨樫義博」も連載後期には「彼ら2人が主役です」と自嘲気味にコメントしています。
そのおかげか人気は盛り返し、アニメ化も決定。上手く盛り返した…かに見えましたが…?!
原作者の限界…そして連載終了
作品の人気盛り返しと反比例して、原作者「冨樫義博」の精神はかなり落ち込んでいきました。「こんなの俺が描きたい作品じゃない」「もういやだ」という思いに苛まれていたようです。事実、原稿を「落とす(締め切りに間に合わないこと)」回も何度かありました。
そしてついに、もう限界、と「冨樫義博」自らの申し出で連載を終了させることとなります。 またその最終話のラスト2ページが衝撃的です。
詳細はネタバレになるのであえて書きませんが、そのラスト2ページに描かれている想いは、「冨樫義博」のこれまでに溜まるに溜まったフラストレーションの爆発と思われます。編集部に対してなんともパンキッシュな「最後の反抗」を企てています。
こうした「不遇」の作品は、実は週刊少年ジャンプには沢山あります。毎週読んでいて、とある作品が掲載が後方に下がり、急にトーナメントが始まると「テコ入れキター!!」と、読者はすぐに編集部の手が入ったことを察知します。
もちろん、「トーナメントテコ入れ」で大ヒットのものにした作品も多々あります。しかしその裏では、原作者の想いと裏腹な「大人の事情」が沢山絡んでいるという悲哀もあるのです。そう思ってジャンプ連載作品を改めて読んでみると、また違った読み方ができるのではないでしょうか。
最後に…蛇足ですが、「冨樫義博」はこのあとしばらく筆を置くのですが、満を持して立ち上げた新連載作品「HUNTER×HUNTER」にて、同じ轍を踏んでしまう悲劇に見舞われます。
幽遊白書の大ヒットは、作品の方向性を曲げられたから!?のまとめ
いかがでしたでしょうか?大ヒット作品「幽遊白書」は、「冨樫義博」のが描きたかった作品とは違う方向にいった作品で、少し病んでしまった作品でもあります。ジャンプ編集部によるテコ入れがあったとしても「幽遊白書」は、大ヒット作品であることは間違いないのでぜひ読んで見てはいかがでしょうか?原作者「冨樫義博」の、想いを知りながら読んでみるとまた違った楽しみ方ができるかもしれません。
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