もののけ姫のタイトルは最初「アシタカ聶記」だった!皆の好みを人気投票中!
「もののけ姫」とは
1997年7月12日公開。宮崎駿の長編映画第7作。構想16年制作3年かけた超大作で、宮崎駿の集大成として制作された作品。それまでの宮崎駿の従来のヒーローヒロインの明るい映画とは少し違い、哲学要素が含まれたり、明確な悪役が設定されなかったりと、大人が考えさせられるような内容になります。また宮崎駿作品の中では初めて『空を飛ぶ』シーンが描かれておらず宮崎駿の得意分野を捨てたり、今までにないくらい暴力的な描写が多くしたり、『今までの宮崎駿らしくなさ』がたくさん詰まった作品になっています。
詳しくは「『もののけ姫』の魅力を徹底解析!」を参照ください。
宮崎駿一押しのタイトル名「アシタカ聶記」は鈴木敏夫に強引にボツにされた
「もののけ姫」というタイトル、これは宮崎駿の望んだタイトル名というわけではありませんでした。映画の制作の終盤に、宮崎駿が鈴木敏夫に「アシタカ聶記(せっき)」にタイトルの変更を希望しました。主人公はサンではなくアシタカであるため、宮崎駿の中では「もののけ姫」がしっくりこなかったようです。しかし、鈴木敏夫は「アシタカ聶記」がどうしてもしっくりこず、「もののけ姫」の方がインパクトあると判断しました。さらに日本テレビ担当者も過去の宮崎駿の作品は全て『の』の字が入っていたと、鈴木敏夫を後押ししたため、宮崎駿に内緒で「もののけ姫」のタイトルを強行発表してしましました。
映画の宣伝がテレビで放送されたタイミングで宮崎駿が知ることになり、どうして出したのかと鈴木敏夫に宮崎駿は詰め寄りますが、『はい、出しましたよ』と平然と答える鈴木敏夫に宮崎駿は何もいえなかったといわれています。鈴木敏夫の名碗(豪腕!?)ぶりが垣間見れるエピソードです。
本記事では、宮崎駿一押しの「アシタカ聶記」のタイトルの方がよいか、鈴木敏夫一押しの「もののけ姫」の方がよいかを考察し、最後に『【もののけ姫】のタイトルはどちらがしっくりくる?「もののけ姫」VS「アシタカ聶記」』というアンケートの結果を紹介します。
もしよければ皆さんの意見も聞かせてください♪
【もののけ姫】のタイトルはどちらがしっくりくる?のアンケート
もののけ姫
アシタカ聶記
その他
考察その1『もののけ姫』というタイトルの魅力
「もののけ姫」の魅力は何といっても、「の」がつくことです。宮崎駿の長編アニメ作品には前作まで全て「の」が付いておりました。結局引退作品の「風立ちぬ」以外全て「の」が付いており、その法則を商業的にも重要視したのがプロデューサー鈴木敏夫です。スポンサーの日本テレビ担当も味方につけ、強引に映画の宣伝で発表してしまい「もののけ姫」というタイトルになりました。
次に「もののけ」という意味を深く考えてみましょう。「もののけ」とは、「人にとりついてたたる死霊・生き霊・妖怪の類」のことです。つまり、「人間ではない」ということ。では「もののけ」は一体何を指しているのでしょうか。
「もののけ姫」は「自然」と「人間」の戦いとして描かれており、タイトルの一部の「もののけ」は「自然」のことをさしていると思われがちです。確かに「シシ神」を筆頭にイノシシの神様や人語を操る山犬たちを「もののけ」とすることに間違いありません。しかし、宮崎駿は「もののけ」を人間達にも掛けています。「タタラ場」にいるハンセン病の人たちや戦争で売られた女など、人間に排除された(=人間として認められていない)人たちが、まさに「もののけ」に該当します。
つまり、人ではない者(もののけ)は「自然」にも「人間」にも存在しており、「もののけ姫」は「自然」と「人間」の戦いの裏に、「もののけ」同士の生き残りをかけた戦いでもあったということがわかります。そこまで読み解くと、タイトル「もののけ姫」は、キャッチコピーの「生きろ」にすごくマッチしており、よいタイトルと考えることができるでしょう。
考察その2『アシタカ聶記』の意味を知ればアシタカの魅力を知れる
「聶記(せっき)」とは、どういう意味でしょう。「聶」を「せつ」とは読めず、辞書にも載っておりません。実は「聶記(せっき)」は宮崎駿の造語であり、口伝えに残されたという意味が込められています。主人公「アシタカ」は監督にとって、それほど重要な人物であったのでしょう。宮崎駿は次の文章を残しています。
アシタカ聶記
聶記(せっき)とは、草に埋もれながら耳から耳へと語り継がれた物語のこと
正史には残らない、辺境の地に生きたひとりの若者のことを人々はいつまでも忘れずに語り継いできた
アシタカと呼ばれたその若者が、いかに雄々しく、勇敢だったかを…
残酷な運命に翻弄されながらも、いかに深く、人々や森を愛したかを…
そのひとみが、いかに澄んでいたかを…
山に生きる忍耐強い人々は、つらい暮らしの中で、くり返しくり返し子供等に語り継いだのだった
アシタカのようにおなり、アシタカのように生きよと……
アシタカは、後世まで語り継がれるに値しますが、決して歴史の表舞台に立つような人物ではないからこそ、歴史に名を残す偉業を成し遂げても歴史に名が残らない、だからこそ語り継がれる、そのため「アシタカ聶記」なのでしょう。そんなアシタカの魅力を考えれば、「アシタカ聶記」も悪くはない、むしろ深いと思ってしまうのは私だけでしょうか。
『【もののけ姫】のタイトルはどちらがしっくりくる?』のアンケート結果
以上の考察より、次のアンケートを取った結果を紹介します。
アンケート内容『【もののけ姫】のタイトルはどちらがしっくりくる?』のアンケート結果
- 選択肢
- もののけ姫
- アシタカ聶記
- その他
気になるアンケート結果はこちら!
【もののけ姫】のタイトルはどちらがしっくりくる?のアンケート
もののけ姫
アシタカ聶記
その他
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質問
【もののけ姫】のタイトルはどちらがしっくりくる?のアンケート
「もののけ姫」というタイトル、これは宮崎駿の望んだタイトル名というわけではありませんでした。映画の制作の終盤に、宮崎駿が鈴木敏夫に「アシタカ聶記(せっき)」にタイトルの変更を希望しました。主人公はサンではなくアシタカであるため、宮崎駿の中では「もののけ姫」がしっくりこなかったようです。しかし、鈴木敏夫は「アシタカ聶記」がどうしてもしっくりこず、「もののけ姫」の方がインパクトあると判断しました。さらに日本テレビ担当者も過去の宮崎駿の作品は全て『の』の字が入っていたと、鈴木敏夫を後押ししたため、宮崎駿に内緒で「もののけ姫」のタイトルを強行発表してしましました。
そこで、宮崎駿一押しの「アシタカ聶記」のタイトルの方がよいか、鈴木敏夫一押しの「もののけ姫」の方がよいか、皆さんの意見を教えてください♪