【ガンダム 一年戦争の年表】宇宙世紀シリーズの1年戦争を年表で振り返る!

【ガンダム 一年戦争の年表】宇宙世紀シリーズの1年戦争を年表で振り返る!

40年以上の歴史を誇る『機動戦士ガンダム』シリーズ。その中でも人気と言えるのが、原点とも言える宇宙世紀シリーズ。

宇宙世紀シリーズのもっとも大きな戦争は、機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)の1年戦争でしょう。1年戦争は宇宙世紀0079年1月3日から、宇宙世紀0080年1月1日まで続いた戦争です。

アニメでは1年戦争の後半である0079年9月18日のガンダムとザクが戦う話から始まりますが、ガンダムが登場するまでの9ヶ月何が起きていたのでしょうか。

そこで今回は、1年戦争が始まった、宇宙世紀0079年1月3日から、宇宙世紀0080年1月1日まで、年表で振り返りたいと思います。

こんなアンケートを取っています!ぜひ興味があればお答えください。

『機動戦士ガンダム』の面白さはどこにある?のアンケート

モビルスーツのカッコよさ(デザイン)

宇宙世紀を舞台にした世界観

人間ドラマ

戦争がテーマになっていること

【宇宙世紀0079年 1月3日〜1月4日】人類史上最大の戦争のはじまり

宇宙世紀0079年1月3日7時20分。ジオン公国が、地球連邦政府に対して宣戦を布告します。これが後に一年戦争(ジオン独立戦争)と呼ばれる、アースノイド(地球で生まれ育った人たち)とスペースノイド(宇宙で生まれ育った人たち)との、人類史上最大の戦争へと発展していくことになります。

月面第二の都市「グラナダ」を制圧

宣戦布告直後、ジオン公国軍は地球連邦軍に対して先制攻撃を仕掛け、月面都市グラナダを制圧します。グラナダとは、月の裏側に位置する月面第二の都市のことで、もともとは各サイドの建設に必要とされる大量の資材を、地球のフォン・ブラウン市に設けられたマスドライバーから受け取るために建設された、地球連邦政府の基地でした。基地はその後も拡張・発展を続け、グラナダ市となりました。グラナダ市には、アナハイム・エレクトロニクス社の支社があり、地球連邦軍の兵器を製造していたこともあり、2つの組織は密接な関係にあったと言えます。

『アイランド・イフィッシュ』の住民を毒ガスで虐殺

人類史上最大の戦争のはじまり

月面都市グラナダを制圧した後、ジオン公国軍は、サイド1・サイド2・サイド4を奇襲します。このとき、ジオンはNBC兵器(大量破壊兵器)のGGガスと呼ばれる毒ガスを使用し、サイド2のコロニーのひとつ『アイランド・イフィッシュ』に住む、2000万人の住民を虐殺しました。これには、後の作戦に続く恐ろしい思惑がありました…。

【宇宙世紀0079年 1月4日〜1月10日】恐怖の『コロニー落とし』発動

虐殺したコロニー『アイランド・イフィッシュ』を地球へ...

ジオンは、サイド2のコロニーのひとつ『アイランド・イフィッシュ』を地球に落とすという、恐ろしい作戦『ブリティッシュ作戦』を発動します。これは、地球連邦軍総司令部ジャブローの破壊を目的とした作戦でした。

コロニー落とし

ジャブローとは、南米のアマゾン川の地下に存在する巨大な鍾乳洞を利用して作られた難攻不落の基地で、核兵器の直撃にも耐えうる構造を備えていたため、コロニーのような大規模な質量を持つものを使って、想像をはるかに超える破壊力が必要でした(ちなみに、スペースコロニーの大きさは、長さ42km、直径6.4km、最大収容人口3000 万人)。

後に、このようにコロニーを地球に落とすことを『コロニー落とし』と呼ばれるようになりました。

コロニー落としは失敗!

しかし、このブリティッシュ作戦は、地上からの核ミサイルなどによる迎撃によって、アラビア半島上空でコロニーが破壊されてしまい失敗に終わります。

しかし、崩壊したコロニーの残塊は相次いで地球に落下しました。大きく3つに崩壊したコロニーの内、ベイ部分はオーストラリアのシドニーに、残りの部分はバイカル湖、北米大陸にそれぞれ落着したと言われています。

これによって、オーストラリア大陸の約16%が消滅し、特に落下地点であったシドニーはほぼ跡形なく消滅、後にシドニー湾と呼ばれる直径500kmのクレーターができています。

一週間戦争と呼ばれたこの1週間で28億人が死亡する...

その以外にも、地球では長年にわたって異常気象などの悪影響を及ぼし続け、地球の自転速度すら変わったと言われています。

この1月4日〜1月10日に行われた戦いは『一週間戦争』と呼ばれ、全人類110億人のうち28億人が死亡しました。

【宇宙世紀0079年 1月10日〜1月31日】地球連邦が味わった屈辱『ルウム戦役』

先の『一週間戦争』で、ジャブローの破壊という最大の目標を果たせなかったジオン軍は、ジャブローへのコロニー落としを再度実行するため、それまで攻撃を仕掛けていなかったサイド5の『ルウム』へと侵攻をはじめます。

地球軍の圧倒的な数的有利にも関わらず...

その情報をキャッチした地球連邦軍は、その時点で出撃可能な戦力をかき集めて、ジオン軍に対し総力戦を挑みました。このときの地球連邦の戦力は、ジオンの『3倍』を有し数的有利にたっていました。

しかし戦闘開始直後こそ、数で有利にたっていた地球連邦軍でしたが、その主力は宇宙戦艦や宇宙戦闘機であったため、途中からジオン軍がモビルスーツを投入すると、みるみるうちに戦力差はひっくり返り、地球連邦軍は投入した戦力の8割が壊滅し、さらに戦域から離脱するところだった指揮官レビル将軍が、ジオンの『黒い三連星』によって捉えられ、捕虜にされてしまいます。

ちなみに、この戦役でサラミス級4隻、マゼラン級1隻を撃沈した『シャア・アズナブル中尉』は、その特徴的なカラーリングの機体を操ることから、連邦将兵に「赤い彗星」と恐れられるようになります。

ルウム戦役

ジオンは戦争の早期終結を図るが失敗!

レビル将軍という思わぬ成果を手に入れたジオン公国軍は、捕虜となったレビル将軍の姿を利用し、全地球圏に対してプロパガンダ放送をおこないます。

これにより、ジオンは先のコロニー落としとルウム戦役での戦果を利用して、地球連邦政府と和平交渉に臨み、戦争の早期終結を図ります。しかし、事実上の無条件降伏に等しい要求を行うハズだったジオンのもくろみは、地球連邦軍がレビル将軍の奪還に成功したことで頓挫してしまいます。

実はこの『レビル将軍の帰還』には、単に地球連邦軍の健闘によるものだけでなく、ジオンの内部抗争による思惑も複雑に絡まり合っていました。そして、捕虜としてジオンの内部状況に触れたレビル将軍は、地球連邦軍に帰還後「ジオンに兵なし」という演説をおこなったことにより、戦争は一気に激化していくことになります。

そして地球連邦はいよいよ、ガンダムを生み出すことになる『V作戦』を発動するのでした。

【宇宙世紀0079年 2月1日〜4月1日】逆転の切り札『V作戦』始動

ルウム戦役にて歴史的大勝をあげたジオンは、モビルスーツの実践での有用性を世界に示しました。そして、勢いそのままに地球への侵略作戦を実行します。

地球連邦軍のモビルスーツ開発『V作戦』とは?

これと同時期に、モビルスーツ開発によりジオンに傾いた宇宙戦の形勢を逆転させるため、地球連邦は新たに『モビルスーツの開発』と『モビルスーツ運用を前提とした新型宇宙戦艦の開発』を計画した『V作戦』を立案します。

一方のジオンは第1次〜第3次降下作戦を実行し、地球圏での勢力を拡大していきました。

V作戦

ジオンが地球での勢力を拡大する中、地球連邦はRX計画という諜報活動、新兵器開発などの複数の計画を統合し、『V作戦』を始動します。これにより、ガンタンク、ガンキャノン、ガンダムの3つの異なる用途のモビルスーツと、それらの母艦となるホワイトベースの開発が進められます。

このとき、地球連邦のモビルスーツ開発の責任者に、ジオンのザク開発のキーマンとなったミノフスキー博士の弟子である『テム・レイ』が選ばれました。ご存知の方も多いと思いますが、テム・レイは機動戦士ガンダムの主人公『アムロ・レイ』の父親です。

【宇宙世紀0079年 4月1日〜9月18日】ガンダム大地に立つ

ザクを圧倒するための技術『エネルギーCAP』

『ジオンのザクに勝てるモビルスーツ』をコンセプトに作られた地球連邦のモビルスーツには、ザクを圧倒するための武装の開発が不可欠でした。

それまでのザクの主な武装は、ザク・マシンガンとザク・バズーカの実弾兵器のみで、それらを凌駕するために地球連邦が開発したのが、当時は戦艦にしかないメガ粒子砲と同じ技術をモビルスーツにも携帯できるようにした『エネルギーCAP』という技術でした。

後に、この技術によって作られたビームライフルとビームサーベルは、ジオンのモビルスーツを圧倒することになります。

ガンダムのロールアウト!

ガンダム

V作戦で開発を進めていたモビルスーツと母艦ですが、まず先に完成を迎えた地球連邦軍の母艦『ホワイトベース』でしたが、最終調整を迎えるガンタンク、ガンキャノン、ガンダムを受領するため、地球のからサイド7へと移動中に『シャア・アズナブル』の部隊に捕捉されてしまいます。これにより、地球連邦はサイド7にてモビルスーツを受け渡すところでジオンによる襲撃を受けます。

しかし、たまたまその場に居合わせていたガンダム開発責任者テム・レイの息子『アムロ・レイ』が、ガンダムに搭乗し、その場でザク2機を撃破します。

これが、宇宙世紀史上初のモビルスーツ同士の戦闘となりました。その後も一方的にザクを倒すガンダムの姿を見たジオンの兵士たちは、ガンダムを『連邦の白い悪魔』と呼ぶようになります。

【宇宙世紀0079年 9月18日〜10月4日】ジャブローヘの帰還

一般人をクルーとして迎えるホワイトベース

思わぬ形で地球連邦のモビルスーツの性能をジオンに示す結果となったホワイトベース一行でしたが、本来の目的を果たすため、ガンダムなどを地球へと輸送することになりました。しかし、このときモビルスーツのパイロットを含めたホワイトベースの正規クルーは、先のジオンの襲撃によって多くが戦死してしまったため、しかたなく一般人をクルーとして迎えることとなりました。アムロもそのひとりでした。

シャアはホワイトベースを利用してザビ家へ復讐を始める

ガルマ

地球へと向かう過程で、シャアの部隊からの襲撃を受けたホワイトベースは、本来の目的地であるジャブローから大きく外れた、北米大陸へと降下します。そして、そこはまさにジオン勢力圏のど真ん中でした。地球連邦からの数少ない支援を頼りに、ホワイトベースはジオンの勢力圏からの脱出を試みます。しかし、ホワイトベースと同じく地球へと降下していたシャアの部隊は執拗に彼らを追いかけました。

これには、シャアの『ある思惑』が深く関係しています。

シャア・アズナブルとは、もともとジオン公国がまだムンゾ自治共和国だったころ、地球連邦政府に対し自治独立を宣言した議長『ジオン・ズム・ダイクン』の遺児『キャスバル・レム・ダイクン』の仮初めの姿だったのです。

そしてシャアは、父ダイクンを殺したザビ家への復讐のためにジオン軍へと入隊していました。その最初の犠牲者となってしまったのが、このときジオン軍北米大陸の司令官だった『ガルマ・ザビ大佐』でした。シャアは、ホワイトベースとガンダムの力を利用して、ガルマに手柄を渡すフリをして、ホワイトベースにガルマを討たせることに成功します。

【宇宙世紀0079年 10月4日〜10月6日】国民よ立て!悲しみを怒りに変えて

ギレン

ザビ家の人間が戦死したという知らせは、ジオン公国全体の士気を下げることになりました。特に、ガルマを可愛がっていた父デギン・ソド・ザビと、三男ドズル・ザビは、大きなショックを受けました。

しかし、野心家で知られる長男ギレン・ザビは、身内の死さえも利用する男でした。ジオン公国の本拠地であるサイド3のズム・シティにて、ガルマの国葬をおこない、これに合わせてギレンは地球と宇宙に住む全ての人々に向けて演説を行います。

このときの有名なセリフがあります。

国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!

これにより、ジオン兵の士気は一気に上がり、拳を掲げ「ジーク・ジオン!」と繰り返し高らかに叫びました。この放送を見ていた地球連邦の兵たちは『自分たちの敵』を再認識するとともに、その存在に恐怖しました。

【宇宙世紀0079年 10月6日〜11月6日】青い巨星との死闘

アムロ、ガンダムからおろされる...

民間人という立場から成り行きで地球連邦軍に入隊して、ガンダムのパイロットとして何度も戦闘活動をおこなってきました。その多くがシャアとの激闘でしたが、ここからはシャア以外の強敵と戦うことが多くなります。

この頃アムロは精神は不安定な状態になっており、他のクルーたちともすれ違いが起き始めていました。そんな中、ブライトがアムロの進退について話しているところをたまたま耳にしてしまったアムロは、ガンダムを持ち出してホワイトベースを降りることを決意します。

ジオン軍のエース『ランバ・ラル』登場!

砂漠が広がる中立地帯の『ソドンの街』に降りたアムロはそこで、軍内外から『青い巨星』と呼ばれるジオン軍のエース『ランバ・ラル』と出会います。このときの有名なセリフに、「いい目をしているな」というものがありますが、これは幾多の経験によりアムロの秘めた能力に感づいていたランバ・ラルだからこそ出てきたセリフと言えます。

その後、ホワイトベースへと戻るアムロの後をつけたランバ・ラルは、大気圏内での白兵戦用に開発された『グフ』に乗ってホワイトベースを襲撃します。兵士としての経験では圧倒的に勝るランバ・ラルでしたが、ガンダムの性能とアムロの覚醒し始めていた能力の前に、グフを大破させられてしまいます。

グフ

最後までランバ・ラルはかっこいい!

しかし、グフを失ってもホワイトベースを撃墜するという任務をまっとうするため、ランバ・ラルは生身でのゲリラ作戦を仕掛けます。もともと軍人ではなかったホワイトベースのクルーたちは、ラル隊の襲撃を前に苦戦を強いられますが、ランバ・ラルにとって思わぬ再会を果たすことで、状況は一変します。

実はランバ・ラルには、生前のジオン・ズム・ダイクンを支えたラル家の長男という一面がありました。そして、ランバ・ラルにとって思わぬ再会の相手というのが、『アルテイシア・ソム・ダイクン』という名を隠してホワイトベースに乗船していた『セイラ・マス』でした。

過去に自分が、ザビ家の魔の手から逃そうとしたダイクンの遺児を目の前に「アルテイシア様…!?」と思わず動揺をしたランバ・ラルは、このとき見せた隙により負傷してしまいます。そしてランバ・ラルは「戦いの中で戦いを忘れた」と言い残し、ジオンの兵士としての生き様をアムロに見せつけるように身を投げて戦死するのでした。

このときの逸話に、当時ロールアウトしたばかりのドムがランバ・ラルの部隊に届けられていたら、ホワイトベースを撃墜していたのではないか?というものがあります。その真相が気になる人は、こちらの記事も見てみてください。

【宇宙世紀0079年 11月6日〜11月9日】オデッサの激戦

地球連邦の反撃の狼煙

地球連邦軍は、ジオンの地球侵略作戦によって、ある重要な拠点を奪われていました。それが、広大な鉱物資源が眠る『オデッサ』です。オデッサには、地球圏でも最大規模の鉱山地帯と、東ヨーロッパ工業地帯とが一体となっていました。

そのため、コロニーを拠点とし資源に乏しかったジオンが地球連邦と渡り合っていくためには、オデッサの維持が絶対条件でした。逆に言えば地球連邦は、この戦争のこう着状態を脱するためにオデッサの奪還が不可欠だったのです。

アムロの覚醒!

それまで防戦一方であった地球連邦はレビル将軍の指揮の下、『オデッサ作戦』を立案。これに参加するためホワイトベースもオデッサへと向かいますが、度重なる戦闘で損傷と疲労がピークに達し、ついに大破し着底してしまいます。

行動不能となってしまったホワイトベースは、マチルダ隊からの補給を受けざるを得なくなります。その後、新型モビルスーツ『ドム』を操るジオンの『黒い三連星』と交戦。

黒い三連星

ガイア、オルテガ、マッシュの3人を相手に、アムロは苦戦を強いられますが、そのとき覚醒を始めていたアムロのニュータイプとしての能力によってマッシュが乗るドムを撃破し、勝利をおさめます。

ジオンは核兵器まで使ったが、オデッサを奪われる...

それと同時にレビル将軍ははオデッサ作戦の発動を命じ、圧倒的な物量を持って一気にオデッサの奪還を狙います。しかしジオンの指揮官『マ・クベ』にはある秘策がありました。

それは地球連邦内にいたジオンの内通者『エルラン中将』の存在でしたが、ホワイトベース隊の活躍により、エルラン中将が逮捕されると戦局は一気に地球連邦有利に傾きます。

ガンダムの活躍により黒い三連星が全滅すると、すでに最終防衛線を突破されつつあったジオン軍はついに敗走を始め、残存部隊は宇宙を中心に各地へ退却か降伏を余儀なくされました。

マ・クベ

この際に『マ・クベ』を含む一部の司令官は南極条約で禁止された核兵器を使用しました。しかし、マ・クベが発射した核ミサイルは、覚醒したアムロの活躍もあってガンダムに撃墜され、マ・クベはそのまま宇宙へと脱出します。

このとき、マ・クベは自分が宇宙へ送った資源を考慮して「ジオンはあと10年は戦える」というセリフを残しています。このときマ・クベは、その後わずか2ヶ月後にジオンが事実上の敗北をするとは夢にも思っていなかったのでしょう。

【宇宙世紀0079年 11月10日〜12月2日】ジャブローでの攻防

オデッサ作戦後、これまでホワイトベース隊を追っていたシャアが『マッド・アングラー隊』に身を移し海という地形を利用してホワイトベースに攻撃を仕掛けていました。シャアの攻撃から逃れるようにしてジャブローにたどり着いたホワイトベースでしたが、これまでジオンに知られていなかったジャブローの入り口をシャアに見られてしまいます。

随所で活躍を見せつつも、行く先々で戦闘に巻き込まれるホワイトベースは、連邦内部からも「永遠に厄介物」などと言われており、今回のジャブローの件も例外ではありませんでした。

ウッディー大尉との出会い

ジャブローにてひと時の休息を得ていた、アムロをはじめとするホワイトベースのクルーたちは、先の戦闘で戦死したマチルダの婚約者『ウッディー大尉』と出会います。自分の実力が足りないせいでマチルダを死なせてしまったと謝るアムロに対して、諭すウッディー大尉。

自惚れるんじゃない、アムロ君。ガンダム1機の働きで、マチルダが助けられたり、戦争が勝てるなどどいうほど甘いものではないんだぞ。
パイロットはそのときの戦闘に全力を尽くして後悔するような戦い方をしなければ、それでいい。

この言葉を自分に言い聞かせるように、ウッディー大尉はその後ジャブローへと襲撃に来たシャアの部隊からホワイトベースを守るために戦死してしまいます。

ガンダムの量産計画、ジムの実戦投入!

ジム

本拠地であるジャブローへジオンの襲撃を許してしまった地球連邦でしたが、このとき既に地球連邦はこの戦争を終わらせるための『ある計画』が動き出していました。それは、ジオンのモビルスーツを圧倒してきた『ガンダムの量産計画』でした。

モビルスーツの開発においてジオンに遅れをとっていた地球連邦でしたが、その圧倒的な物量を持ってその差がみるみる縮まっていきました。こうして量産されたモビルスーツには『ジム』という名が与えられ、その後もさまざまな派生を繰り返し地球連邦を影で支え続けます。

地球連邦はその性能テストも兼ねて、今回のジャブローでの戦いで初めてジムを実戦投入しました。それまでモビルスーツをほとんど保持していなかった地球連邦が、初めてモビルスーツを量産したことで、モビルスーツ同士の戦争に一気に拍車がかかります。そして、その物量の前にジオンの降下部隊は次々と撃墜され、既にジャブロー内部へと侵入していたシャアの部隊も、アムロたちの活躍によって撤退を余儀なくされます。

ジャブローを攻略する絶好の機会を逃したジオンは、逆に地球連邦に反撃の機会を与えることになってしまいます。ここから、戦争の舞台はまた宇宙へと移るのでした…。

【宇宙世紀0079年 12月2日〜12月16日】宿命の出会い

形勢は徐々にに地球連邦へ

どこへ行ってもジオンに付きまとわれるホワイトベースの悪運を利用することを考えた地球連邦上層部はホワイトベースを月へと向かわせ、その隙にジムを乗せた地球連邦の主力部隊は地球を挟んで反対側に位置し、宇宙における地球連邦の最大級の拠点である資源衛星ルナツーへと向かっていました。

これと同時期に、地上では地球連邦軍がアフリカおよび北アメリカ大陸における大規模なジオン公国軍掃討作戦を開始します。これにより地球上のジオン公国軍は宇宙への撤退を余儀なくされ、形勢は徐々にに地球連邦へと傾いていきます。

ジオンの鉄壁の守り

ジオン公国の本拠地である『サイド3』は、地球から見て月の裏側にあたるグラナダと、2つの資源衛星『ソロモン』と『ア・バオア・クー』によって守られています。特に、ソロモンとア・バオア・クーはジオンに安定的な資源を供給するという役割だけでなく、軍事拠点としても大きく発展していたため、ジオンにとって最重要の拠点でした。

ルナツーへと戦力を集中させていた連邦軍は、そのうちのひとつ『ソロモン』へと狙いを定めていました。

アムロとララァが出会ってしまう...

その頃、ホワイトベースは月の近くに位置するサイド6へと訪れていました。そしてアムロはそこで『宿命の出会い』を果たすことになります。

サイド6には、アムロの初出撃のあと生き別れとなっていたアムロの父がいました。父が生きていたことを喜び、父に会いに行くアムロでしたが、そこに待っていたのは戦闘に巻き込まれ酸素欠乏症となり変わり果てた父でした。

そんな父の姿に心が痛み悲しみの帰路の途中で、雨に遭遇したまたま雨宿りしていた小屋で不思議な空気をまとった少女に出会いました。それこそが、後にアムロのニュータイプ能力を覚醒させ、シャアとの戦いを激化させるきっかけとなる『ララァ・スン』でした。

アムロとララァ

彼女はその飛び抜けたニュータイプ能力の高さをシャアに買われ、脳波を利用して操作するサイコミュ兵器の開発に協力していました。モビルスーツ技術においては、その圧倒的な物量の前に、連邦に追い抜かれつつあったジオンでしたが、宇宙空間でしか発生が見られなかったニュータイプ能力の研究については、まだまだ連邦の先をいっていました。そして、このとき既にサイコミュ兵器『ビット』を搭載した『エルメス』の試作機が完成しており、そのパイロットこそがララァだったのです。

【宇宙世紀0079年 12月16日〜12月24日】ソロモン攻略戦

地球連邦の巻き返しが続く

地球を挟んだ反対側に位置し、宇宙における地球連邦の最大級の拠点であるルナツーへと戦力を集結させていた連邦軍は、ついにア・バオア・クーと対をなすジオン軍の最重要拠点のひとつ『ソロモン』へと攻略を開始します。

ソーラ・システムの導入へ

このとき地球連邦は、ジムに続く2つ目の切り札として『ソーラ・システム』実践投入を検討していました。ソーラ・システムとは、無数のミラーパネルからなる対宇宙要塞攻略兵器です。まず、宇宙空間に多数のミラーパネルを展開することで巨大な凹面鏡を作ります。そして集まった太陽光エネルギーを目標へ照射し、焼き払うという、原理は単純なものでしたが、ミラーパネルの枚数を増やすだけで容易に出力を増大させることが可能で、地球連邦軍の対宇宙要塞戦における切り札として運用されました。

しかし、ミラーパネル1枚1枚は敵の攻撃に非常に弱く、攻撃を防ぎつつミラーを展開するための時間を稼ぐ必要があり、さらに一定規模以上の展開ができない場合は決定的な出力を得ることができなくなってしまいます。また、太陽光の反射を利用する性質上、太陽とターゲットとの位置関係により展開できる時間と場所が限られるという制限もあったため、多用することは難しかったようです。

さらに、これ以降の戦争においては、ターゲットとなる宇宙要塞が核パルスエンジンで移動し、攻撃を回避できるようになってしまったため、ほとんど使われることはありませんでした。また、このソーラ・システムに似た対宇宙要塞攻略兵器に『コロニー・レーザー』というものがあります。

甚大な被害を受けたソロモンでは、ドズル・ザビが奮闘!

ビグ・ザム

ソーラ・システムにより、ソロモンへ甚大な被害を与えた地球連邦は、次々とジムやボールを要塞内部へと侵入させます。

そこへ立ちはだかったのが、ソロモンの防衛を任されていたザビ家の三男『ドズル・ザビ』でした。

ドズルは鉄壁の防御を誇るモビルアーマー『ビグ・ザム』に乗って、地球連邦のモビルスーツ部隊を圧倒します。これまで、実弾兵器を用いていたジオンに対し、ビームサーベルやビームライフルといったビーム兵器をメインに戦ってきた連邦軍は、ビグ・ザムに搭載された『Iフィールド』に苦戦を強いられます。

Iフィールドとは、ミノフスキー粒子の技術を利用して作られた、ビームを無効化する磁場を発生する装置で、実はビームサーベルにもこれと同じ技術が用いられています。しかし、このIフィールドを発生させるには膨大なエネルギーが必要であり、これを機体全体に展開し、さらに長時間の使用をするためには途方もない出力が必要になるという欠点がありました。

そのため、初期のIフィールドはビグ・ザムなどの大型モビルアーマーに限定されていました。その後は技術の向上に伴い小型化が進み、モビルスーツサイズでもIフィールドジェネレーターを搭載できるようになっています。

スレッガー・ロウによる特攻でビグ・ザムを攻略

Iフィールドを用いた鉄壁の防御に加え、多数の小型メガ粒子砲も装備していたビグ・ザムは、たった一機で次々と地球連邦のモビルスーツを撃墜し、地球連邦は攻略ができずにいました。そんなこう着状態を破ったのが、ジャブローを出たときにホワイトベース隊に合流していたスレッガー・ロウ中尉でした。

地球連邦のモビルスーツが次々に撃墜される様子を見かねたスレッガーは、遠距離攻撃がまったく効かないビグ・ザムに対し名台詞を残して、Gアーマー(劇場版ではコア・ブースター)で、命がけの特攻を仕掛けます。

悲しいけどコレ、戦争なのよね

これにより、ガンダムのゼロ距離での攻撃を受けたビグ・ザムは大破。しかしこの特攻によりスレッガー中尉も宇宙空間へと投げ出され、戦死してしまいます。

ビグ・ザムを破壊された後もドズルは抵抗を続けますが、ソロモンは翌日連邦に制圧されます。連邦に制圧された後のソロモンは、名前を『コンペイトウ』に変えて、連邦軍の資源衛星として利用されます。

【宇宙世紀0079年 12月25日〜12月27日】シャアとセイラの再開

テキサス・コロニーでのギャンとの戦闘

ソロモン攻略戦の後、脱出したジオンの残存部隊掃討の任に就いていたホワイトベース隊はテキサス・コロニー付近で、かつてジオンの地球軍を指揮していたマ・クベの奇襲を受けます。マ・クベはキシリアに頼んで、自分専用のモビルスーツを開発していました。それが印象的な盾を装備した『ギャン』です。

マ・クベは戦略上の価値がないとして放棄されたテキサスを利用して多数の罠を仕掛けていました。マ・クベに誘い込まれる形でテキサス・コロニー内部に入ると、中は砂漠化が進み荒れ果てていました。人の手によって作られた大地は、人の介在がなければ太陽光ミラーの調節もできず、たちまち荒れてしまうのです。

コロニー内にも多数の罠をしかけていたマ・クベでしたが、既にニュータイプの能力を駆使していたアムロには通用せず、ギャンは撃墜されてしまいます。

キャスバルとアルテイシアとの再開

キャスバルとアルテイシア

その頃、テキサス・コロニー内にはシャアもきていました。そのときシャアは、ジオンがガンダムを意識して開発した新鋭機『ゲルググ』に搭乗していました。あえて物陰からの攻撃を仕掛けるなどしてアムロのニュータイプの能力を確かめていました。このときから、『ニュータイプ』の概念に迫るようになります。

またシャアはテキサス・コロニーで『セイラ・マス』としてホワイトベース隊の一員になっている実の妹『アルテイシア・ソム・ダイクン』と再会します。

初めこそ、お互いが『キャスバル』と『アルテイシア』であることに気がつかなかった二人でしたが、シャアが仮面を外し、セイラが言葉を交わすことで、二人はお互いがキャスバルとアルテイシアであることを認識することになります。

アルテイシアが地球連邦に所属していることを知ったシャアは、父ジオン・ズム・ダイクンの末期を回想しながら『ニュータイプの理念』について語ります。兄であるシャア(キャスバル・レム・ダイクン)のこれまでの行動が、単に復讐のためだけでなく、父の理想を叶えるための行動であったと知ったセイラ。

セイラは次のように反論しますが、既に兄キャスバルの意思は硬く、その声は届きませんでした。

ニュータイプは人類全体が変わるべき理想のタイプだと教えてくれたわ。だったら、ニュータイプを敵にする必要はないはずよ

ニュータイプ、シャリア・ブル、そしてマグネット・コーディング...

ギレン・ザビは木星帰りのニュータイプ『シャリア・ブル』をキシリア・ザビ配下のニュータイプ部隊へと送ります。シャリア・ブルは、それまで若年層に多く発生例が見られたニュータイプのパイロットとしては、後のガンダムシリーズを通しても異色の存在でした。

また、さまざまな要因によって情緒不安定な性格の多いニュータイプにおいて、その落ち着いた性格も珍しいものでした。シャリア・ブルはそのニュータイプ能力を駆使して有線式の攻撃端末を使ってガンダムにオールレンジ攻撃を仕掛けます。このときの攻撃端末をつかった兵器が、ニュータイプの能力を兵器として使った最初の実例でした。

この戦いによりアムロはかつてない苦戦を強いられ、からくも勝利しますがガンダムはオーバーヒートしてしまいます。これにより、ガンダムの反応速度がアムロについていけなくなっていると判断したモスク・ハン博士は、ガンダムに『マグネット・コーティング』を施すことを提案します。

マグネット・コーティングとは、関節の可動摩擦面に磁力コーティングを施すことで、その抵抗を減らし、モビルスーツの反応速度を向上させるものとされています。また、この処理をおこなったガンダムの反応速度は従来の3倍以上であると言われています。しかし、一年戦争以降は量産機でさえこの処理が施されるようになったため、改めて語られることはなく、その有効性も相対的に消滅してしまいます。

【宇宙世紀0079年 12月28日】ララァの最後...シャアの涙...

ガンダムとエルメス

マグネットコーティングを施したガンダムは、ララァが乗る大型モビルアーマー『エルメス』に遭遇します。先の戦いでシャリア・ブルが乗っていたブラウ・ブロは、ニュータイプ専用機と言いつつも一般のパイロットでも操縦が可能でした。しかし、エルメスはその思想を更に押し進め、完全なるニュータイプ専用機として『フラナガン博士』らによって開発されました。脳波を利用した『サイコミュシステム』を用いて、機体本体の制御と機体内部に搭載する『ビット』と呼ばれる小型ビーム砲を搭載した攻撃子機を遠隔操作して攻撃します。そのため、コクピット内部は必要最低限の操縦機器のみで、そのほとんどは機体の状態を表示するコンソール類(計器類)となっていました。

キシリア艦隊との決戦を迎え相対するガンダムとエルメス。相手を撃つということは、相手に殺意を向けることであり、ニュータイプの能力によりこれを察知することで、アムロはこれまで幾度も危機を乗り越えてきました。

しかし、ビットの攻撃を避けて撃ち返そうとするアムロの殺意もまた、サイコミュを通じてララァへと逆流してしまいます。そうして互いに意思の交流を続けるうちに、二人の関係はやがて愛にも近いものになっていきます。

ララァはこのとき「出会うのが遅すぎた」と言っています。これは、シャアと出会う前に会いたかったとも取れる発言であり、逆にシャアを一番に想っていることも示しています。

アムロ、シャア、ララァの三角関係

その後、戦闘を通じて互いの意思を確かめ合うアムロとララァに対し「奴との戯言はやめろ」とシャアがゲルググに乗って介入しますが、ガンダムの意識して作られたはずのゲルググを持ってしても、マグネット・コーティングが施されたガンダムには苦戦を強いられます。

そこへさらに、兄の行動を止めようと間に入った妹セイラをシャアは、単なる地球連邦の一兵士と勘違いして撃墜しようとします。実の妹を殺しそうになるシャアをララァが止めに入ります。その隙をついてアムロはゲルググの左腕を切り落とします。そして、そのまま「シャア、覚悟!」ととどめを刺しにかかりますが、そこでララァがシャアを庇ってガンダムの攻撃をコックピットに直撃を受けてしまいます。

ああ…アムロ、刻(とき)が見える

この言葉を残して、その肉体は消滅してしまいます。これまで、どんなことがあっても冷静で、感情を表に出すことはなかったシャアも、このときばかりは感情を抑えきれず操作パネルを叩き、涙したのは後にも先にもこのときだけでした。

【宇宙世紀0079年 12月29日〜12月30日】デギン、レビルの戦死!

最終兵器 ソーラ・レイ

ホワイトベースとの戦闘によって、母艦であるザンジバルが撃沈してしまったシャアは、キシリア・ザビが乗るグワジンへと合流します。ジオン軍に敗北の色が濃くなる一方で公王デギン・ソド・ザビは、交渉のため密かにレビル将軍との接触を図ります。これは決して降伏のための交渉ではなく、戦争を早期決着させ、ジオン公国が滅ぶことを防ぐ狙いがありました。しかし、地球連邦軍の総力の3分の1を有するレビル将軍の部隊を前に、ザビ家長男ギレン・ザビは最終兵器『ソーラ・レイ』の照準を合わせます。

ソーラ・レイは、先の戦いで地球連邦が使用したソーラ・システムによく似て、筒状の本体とその周りに多数のソーラーパネルを展開した大量破壊兵器ですが、その原理はまったく異なり、多数のパネルにより凸面鏡を作り、集約した太陽光エネルギーを目標に向けて発射するソーラ・システムに対し、ソーラ・レイはコロニー本体を使用した砲身に膨大な電気エネルギーを蓄えて発射するというものでした。

そのため、それ以降の戦いでは『コロニー・レーザー』と呼ばれるようになります。従来のソーラ・システムに比べ、使用する場所や発射までの時間に融通が効く点などから、一年戦争以降はコロニー・レーザーしか使われなくなりました。

デギン、レビルの戦死、連邦軍は1/3の戦力を失う

そして、ギレンはこの大量破壊兵器を公王デギンと、レビル将軍の艦隊がいる方向へ向けて発射します。これにより連邦軍の戦力の3分の1が消滅。同じ場所にいたデギン、レビルも戦死してしまい、これにより最終決戦の幕が切って落とされます。

ギレンとキシリア

父デギンが本当に戦死したのか、真偽を確かめるためにギレンと接触するキシリア。この時点では、デギンがソーラ・レイ(コロニー・レーザー)の射線上に居たことは確認が取れていませんでしたが、ギレンの「父がグレートデギンを手放すと思うのか?」などの言動により、デギンの戦死とその犯人が兄ギレンであることを確信します。会話の中で「我らの頭ごなしに和平を結ばれたりしたら貴様も困るだろう?あのようになりたくなかったら、黙って今は言うことを聞け」と語るギレンに対し、キシリアはそれを打倒ギレンの口実に使おうと考えていました。

実はこのとき、合流したキシリアの部隊の様子を見たギレンは「しかし妙だな。キシリアめ、出撃させてきた艦の数が合わんが」と疑問を漏らすシーンがありますが、これはこの戦争に勝利した後にキシリアがギレンから実権を奪うために戦力を温存させていたのではないかと言われています。以降の戦争でジオンの残存兵が一定数存在するのも、これによるものだと推測されています。

出陣ジオング

一方で、ガンダムとの戦いによってゲルググを中破させていたシャアは、自身もまたニュータイプであることからジオングの使用を進言します。このときジオングの完成度は80%とキシリアから聞かされていたシャアは足がないジオングの姿を見てそのことを問いかけますが、担当していた技師『リオ・マリーニ』に、いまのままでも100%の性能が出せると反論された上に、あの名言でダメ押しまで受けています。

あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ

【宇宙世紀0079年 12月31日】宇宙要塞ア・バオア・クーでの攻防!

宇宙要塞ア・バオア・クー

ガンダムvsジオング

いよいよ連邦とジオンとの最終決戦が始まり、互いの戦力がぶつかり合う中、シャアの乗るジオングは両腕についた有線誘導(有線のビット)によるオールレンジ攻撃をしかけますが、それはかつて同じくニュータイプのシャリア・ブルが操縦していたブラウ・ブロと同じ性質の武器であることを悟ったアムロは、ガンダムをジオングの懐に飛び込ませていきます。この様子から、アムロがニュータイプとしてだけでなく、パイロットとしても成長を遂げていることが分かります。

シャアはアムロとの能力の差を実感しつつも、ジオングのパワーを持ってガンダムと互角に戦います。最終的にジオングは頭部のみ、ガンダムも頭部と左腕を失い、互いに満身創痍の中、二人の戦いはア・バオア・クー内部にまでもつれ込みます。互いに最後の一撃と放った攻撃はどちらとも命中しますが、アムロもシャアも先にモビルスーツから脱出していたため、そのまま二人の戦いは生身での戦闘になります。

シャアとアムロ

これにはシャアの「ニュータイプといえど、生身での戦いになれば身体能力が高い方が勝つだろう」という狙いからだったのですが、アムロはこれに受けて立ちます。文字通りの死闘の末、最後はガンダムとジオングのように刺し違えた二人でしたが、アムロは肩を、シャアは額を負傷するだけで済みました。このときの状況を「ヘルメットが無ければ即死だった」と語ったシャアは、素直に勝負に負けたことを受け入れ、別の目的のために飛び立ちます。

それはザビ家への復讐です。

シャアは、ザビ家への復讐を成し遂げる

父デギンの殺害を大義名分に、兄ギレンを射殺したキシリアは、ジオン軍の実権を握ることになりましたが、敗戦は濃厚でついにア・バオア・クーからの脱出を図ります。しかし、アムロとの決戦を終えたシャアがその前に立ちはだかり、一言「ガルマ、私の手向けだ。姉上と仲良く暮らすがいい」と言って、キシリアが乗る船のブリッジめがけバズーカを発射し、これを撃墜します。これによりザビ家への復讐を果たしたシャアは姿を消します。

アムロは、覚醒したニュータイプの能力でクルーを救う!

一方、ア・バオア・クー内に取り残されたアムロは、自らに置かれた状況に絶望します。しかし、どこからかララァの声が聞こえ、再び立ち上がります。大破して動かなくなったガンダムに乗り込み、上半身と下半身をパージし、コア・ファイターでの脱出を図ります。その頃、戦闘で被弾し、ア・バオア・クーに着陸していたホワイトベースでは、クルーたちが必死に船を守るために戦っていました。

覚醒をはじめたニュータイプの能力により、ホワイトベースのクルーたちの危機を察知したアムロは、その能力を最大限に使ってそれぞれに脱出のためのルートを指示します。アムロの声にしたがって脱出したホワイトベースのクルーたちでしたが、肝心のアムロはまだア・バオア・クーの内部にいました。戦闘によって崩れゆくア・バオア・クーを前に絶望するホワイトベースのクルーたちでしたが、やがて小さな光が見えそれがガンダムのコア・ファイターであることが分かると、安堵するのでした。

アムロもまた仲間たちを見て、ララァへ語りかけて最終決戦は終わりを迎えます。

ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ…こんな嬉しいことはない

終戦協定、一年戦争が終わる

ジオン公国は『ジオン共和国』に名前を変え、地球連邦政府との間に終戦協定が結ばれます。かつて、ジオン・ズム・ダイクンが設立した共和国へと回帰する形になったサイド3ですが、その後は連邦とどのような関係が築かれるのでしょうか…。

宇宙世紀0079の1月3日に始まったこの戦争は、翌年の宇宙世紀0080の1月1日に終戦協定が結ばれたため、それ以降では『一年戦争』と呼ばれるようになりました。

「【ガンダム 一年戦争の年表】宇宙世紀シリーズの1年戦争を年表で振り返る!」まとめ

アムロがガンダムに乗ったのは戦争の終盤だったことはあまり知られていません。そしてアムロやホワイトベースは要所で活躍するものの、戦況が大きく変わった理由は、ガンダムの量産計画が成功しジムの実戦投入できたことです。戦争は一人ではできないという大人な設定もまたガンダムの魅力であると言えるでしょう。

ガンダムがコミックで読めるって知っていましたか?

実はガンダムはコミック化されています。アムロやシャアの激闘を漫画で読めるので、アニメで見る時間がないという人に非常におすすめ。

アニメが見たことある人にとっても、アニメで描かれていないストーリーや細かな設定などを読むことができるので、ぜひコレクションの一つに加えてみてはいかがでしょう?

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