【株式投資の教科書】知れば知るほど夢がある!ゴーイング・コンサーン銘柄!
株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介します。今回は、ゴーイング・コンサーン銘柄とゴーイング・コンサーン情報について紹介します。
ゴーイング・コンサーン名柄とは
ゴーイング・コンサーン銘柄とは、倒産するリスクがあることを、決算短信や有価証券報告書で宣言している株式銘柄のことです。倒産するリスクがあることを宣言しているため、投資家からはリスクが高い株式銘柄と認知され、株価が低水準(割安)になっていることが多くあります。
「ゴーイング・コンサーン(going concern)」は、そのまま日本語にすると「うまくいっている会社」という意味になります。企業は永遠に継続するもの(going concern)であり、企業会計は「企業は永遠に継続している前提」のもと行います。しかし、企業が事業を継続することができない可能性がある場合、つまり、うまくいっていない会社の場合、この前提が崩れることになります。
会社や個人事業などの企業会計では、1年間を会計期間として決算を組むため、「企業は永遠に継続している前提」は、1年間が基準となります。そのため、企業は決算日から1年間事業を継続できない可能性がある場合、有価証券報告書の財務諸表が「継続できない可能性がある前提」で作成されていることを、決算短信や有価証券報告書に開示する必要があります。
そして決算短信や有価証券報告書に、企業は決算日から1年間事業を継続できない可能性があることを開示した株式銘柄のことを、ゴーイング・コンサーン銘柄と言います。
「ゴーイング・コンサーン情報」とは
決算短信や有価証券報告書に開示する方法は2通りあり、開示された情報のことをゴーイング・コンサーン情報と言います。
- 決算短信や有価証券報告書の中の「財務諸表に注記」する方法
- 決算短信や有価証券報告書の「リスク情報に記載」する方法
実はこの2つのゴーイング・コンサーン情報は、倒産するリスクが異なります。企業努力だけでは倒産するリスクを解消することが不可能である場合は「財務諸表に注記」による開示、企業努力で倒産するリスクを解消することが可能である場合は「リスク情報に記載」による開示が行われます。
つまり、ゴーイング・コンサーン情報の「リスク情報に記載」されている株式銘柄より、「財務諸表に注記」がされている株式銘柄の方が、より倒産するリスクが高いということになります。
また会社四季報にも「ゴーイング・コンサーン情報」は記載されており、「財務諸表に注記」を「継続前提に疑義注記」として、「リスク情報に記載」を「継続前提に重要事象」として、銘柄ごとの記事に記載があります。
「ゴーイング・コンサーン情報」の開示条件
では、ゴーイング・コンサーン情報を開示する義務があるとはいえ、どのような基準に引っかかったら情報を開示する必要があるのでしょうか。
まず、ゴーイング・コンサーン情報を開示するかどうかを決めるのは、会社の経営者が判断します。しかし、開示する情報が妥当かどうかは、監査法人が検討します。つまり、監査法人の判断で、ゴーイング・コンサーン情報を開示するかどうか決めることになります。そして、監査法人が情報を開示するかを判断するときは、開示条件に該当するかを確認します。開示条件は次になります。
- 開示条件
- 売上高の著しい減少
- 継続的な営業損失の発生又は営業キャッシュ・フローのマイナス
- 重要な営業損失、経常損失又は当期純損失の計上
- 重要なマイナスの営業キャッシュ・フローの計上
- 債務超過
- 借入金の返済条項の不履行又は履行の困難性
- 社債等の償還の困難性
- 新たな資金調達の困難性
- 債務免除の要請
会社の経営者がゴーイング・コンサーン情報を開示するかを検討したのち、開示条件に該当するかどうかを監査法人が判断します。この判断基準が監査法人によって「差」があります。赤字が何年も続いている企業がゴーイング・コンサーン情報を開示しないこともあれば、赤字が1期生じ財務状況も問題ないと思われる企業がゴーイング・コンサーン情報を開示することもあります。つまり、まだまだ立て直すことが出来る企業が、開示条件に引っかかりゴーイング・コンサーン銘柄となってしまっている株式銘柄もたくさんあります。
このようにゴーイング・コンサーン銘柄の中でも倒産のリスクが大きく異なることが、ゴーイング・コンサーン銘柄の特徴と言えます。そのため投資家たちは、ゴーイング・コンサーン銘柄の倒産リスクがまだまだ低いと分析できる場合、大きな利益を求めてゴーイング・コンサーン銘柄へ投資することもしばしばあります。
どのように投資するかは、「夢と絶望を兼ね備えたゴーイング・コンサーン銘柄とは?」を参照ください。
まとめ
- ゴーイング・コンサーン銘柄とは、倒産するリスクがあることを、決算短信や有価証券報告書で宣言している株式銘柄のこと
- ゴーイング・コンサーン情報とは、倒産するリスクがあることを、決算短信や有価証券報告書開示された情報のこと
- 立て直しが可能な企業も、開示条件に引っかかりゴーイング・コンサーン銘柄となることがある
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