【株 初心者必見!】「PER(株価収益率)」にだまされるな!
株取引を始めるとき、利益をあげるために、様々なサイトや本を参考にしたり、セミナーに参加するのではないでしょうか。勉強をするうえで最低限の知識を学ぶことは悪くないことですが、8割の人が損をするのが株取引になります。教科書の知識だけでは利益をあげることは難しいのが現実です。では株取引で利益をあげる人は、教科書で得られる知識以外にどのような知識をもっているのでしょうか。ここでは株式のもっとも基本的な指標とされる「PER(株価収益率)」について、どのように捉えるべきなのかを紹介します。
PER(株価収益率)を教科書ではこう説明している
- PER=株価÷EPS
PER(株価収益率)はPrice Earnings Ratioの略で、ピー・イー・アール(※パーとは読まない)と読みます。単位は倍。株価がEPS(一株あたりの純利益)の何倍まで買われているかを意味します。通常PERが10〜15倍が普通と言われており、安定している大企業だと10倍くらい、ベンチャー企業だと20〜30倍前後であることが多くあります。
多くの教科書は、PERを株価が割安か割高かを判断する指標と紹介しています。また判断基準は、PERが10倍以下だと割安な株、20倍を超えると割高な株とみなすことが多くあるといったことが書かれています。
教科書の判断基準は正しいのか
答えは「正しくない」です。
PERだけでは株価の割高か割安かを判断する基準にはなりません。
1990年代以降のインターネット企業はITバブル時はPERが100倍以上の企業はざらにありました。純利益を上げることができずPERの値がつかない企業の株価が上がったりもします。ではなぜPERは100倍以上である企業や赤字企業の株価は上がるのでしょうか。
答えは簡単です。PERが100倍でも、未来にPERが適正になるくらい利益をあげる企業へ成長する見込みがあるためです。その成長に投資家は投資するため、PERが100倍でも株価があがるのです。
例えば1株あたりの純利益が100円、株価が10,000円の企業があったとしましょう。PERは『10,000÷100=100倍』です。この企業が1年後に商品Aを販売予定であり、商品Aを販売後は売上があがり純利益が10倍の1000円になる見込みだと企業側から発表があったとしましょう。この場合、1年後企業の発表通りになると市場が判断すれば、PERが1年後に向け100倍に近づいていくことが適正となります。さらに商品Aが好調だった場合、売上がもう少し高くなるのではと市場が期待を膨らませはじめたら、市場がPER100倍でも低いと判断し、PERが200倍まで上がってしまうこともあります。
逆もしかりです。今PERが10倍でも、来年以降目新しい商品が発売されなかったり、競合企業が絶好調だったりする場合、来年以降は利益が下がることが見込まれるため、PERが10倍でも市場が高いと判断することもあります。
企業のPERだけでなく、企業が将来あげるであろう純利益まで予想することができる場合、PERを判断基準とすることができるのです。教科書にはここまで書いていることはないでしょう。
これだけではまだ足りない!思い出そう、株式市場を牛耳る機関投資家!
冒頭を思い出してください。本当の意味で株式市場を牛耳っているのは誰でしたか?そうです、機関投資家です。機関投資家はどのようにして利益を上げているのか。上述した例にそって紹介しましょう。
先ほどの例と同じ、1株あたりの純利益が100円、株価が10,000円の企業があるとします。PERは『10,000÷100=100倍』です。機関投資家はPERが100倍になった企業に目をつけた場合、教科書通りPERが100倍では高すぎると言って売りを仕掛けます。それこそPERが60倍ぐらいの株価6,000円まで、資金に物を言わせしつこく売りを仕掛けます。最初は市場がPER100倍でも1年後は適正になると判断していても、あまりにしつこい売りのため、お金のない投資家は損失が増えてしまい「いや100倍は高いだろ / 来年までもう少し待ったほうがいいのか」といった不安がよぎり始めます。
そうなった後は投資家のパニック売りが始まり、市場の判断を誤ったほうへと機関投資家は誘導して行くのです。市場はこれから成長する見込みがあるのにも関わらず、どんどん株式を手放してしまい、株価が下がります。そしてお手軽になった株価で、機関投資家は今度は逆に株式をかき集め、この企業は将来有望だからと言って、PERが200倍でも適正だと誘導し株価を吊り上げていきます。そして高くなったら株式を処分します。
機関投資家はこのようにしていいように株価を上下させ、一般投資家の資金を奪っていきます。これが株式市場の牛耳りの正体です。
これに対応するには、次の2つのどちらかを自分の信念の守るべきルールとして取引をすることを強くお勧めします。
- 1年後には必ず株価が上がるという自信を持っていても、機関投資家の仕掛けには逆らわない
- 現物ですべて購入し、企業の将来性がなくなった場合を除き、目標株価まで何が何でも手放さない
最後に確認!これを見過ごすと痛い目にあってしまう
最後に確認しなければならないのが、投資する企業が本当に信頼できるかどうかです。1年後、純利益が10倍になると発表したとして、本当にその内容が信じれるのかどうかです。
企業が戦略を発表して守れないことはよくあること。そうなってしまうと、PER100倍はただの高い株価でしかないため、株価は暴落してしまいます。この辺りの確認もできないと痛い目にあうことがしばしばあるので、気をつけましょう。
情報の見分け方は『口だけ企業のIR』にだまされるな!をぜひ参照ください。
株取引で利益をあげる人の『PER 利用方法』
まとめとして、利益をあげる人の動向をまとめました。利益をあげる人の中でも様々なスタイルがあると思いますが、PERに関わる共通したルールは以下になります。
- 企業のPERの値だけでなく、企業が将来あげるであろう純利益まで予想し、PERを判断基準とする
- 適正と判断したPERでも、機関投資家には逆らわない
- 取引のルールを決めたら、必ず守る
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