【株式投資の教科書】『株』や『株式』ってなに?

【株式投資の教科書】『株』や『株式』ってなに?

経済のニュースによく出てくる「株」。また、日本で耳にする会社の多くは「株式会社」ではないでしょうか?

株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介します。今回は初歩の初歩、「株」や「株式」とは、一体なになのかを簡単に説明します。

そもそも株ってなんだ?

実は「株=株式」です。みんなが「株式」を略して「株」といっているだけです。

では株式ってなんでしょう。辞書とかでは「株式とは『株式会社が発行する社員権』であり、株式を持つことで会社の経営に参加することが可能です』といったように説明されています。ちょっと難しいですね。例を出して説明しましょう。

株式会社BatQueが株式を1,000株発行しました。Aさんが400株、Bさんが300株、Cさんが300株持っていたとします。株式会社BatQueの株主総会(会社の経営方針を決める会議のようなもの)にて、商品Xの開発の議案提出(企画書みたいなもの)がありました。この商品Xの開発に賛成するのはAさんのみで、BさんとCさんは開発に反対でした。この場合、株式総数の40%が開発に賛成、60%が開発に反対となり、株主総会では商品Aの開発は認められないという結論が出たことになります。

もっと簡単にいってしまえば、株式会社の経営方針を決める会議の多数決に投票(参加)することが出き、保有している株式数だけ投票できると考えてください。つまり、株式を持っている時点で、経営方針に口を出せることになります。

株式を持っているとなにができる?

株式を持つだけで何でもできるわけではありません。株式を保有する割合に応じて、経営に関われる内容が変わってきます。

まず株式会社の経営方針は、株主総会で決定されます。株主総会とは、毎決算期に1回開催される「定時株主総会」と、必要に応じて開催される「臨時株主総会」があり、株式会社はそこで経営の方針を株主に決議して(決定して)もらう必要があります。簡単にいうと、「1年に一回経営方針を決める会議(定時株主総会)と、早く経営方針決めたいから開く会議(臨時株主総会)があり、どっちも株主から提案された経営方針案を、株主の多数決で決めるよ」という感じです。

ここで注意しなければいけないのが、議案(提案された経営方針)の種類によって『多数決の勝利条件』が変わります。議案には、普通決議が必要なものと特別決議が必要なものがあり、普通決議は過半数(50%)以上、特別決議は3分の2(66.6%)以上の多数をもって決議されます。特別決議が必要なものは、取締役の責任解除及び解任、定款の変更、営業の譲渡……。簡単にいうと、取締役就任や解任などの株式会社にとって重要な議案は66.6%以上の多数、それ以外の普通の議案は50%以上の賛成で、多数決に勝利できます。

では、保有割合ごとになにができるのか見てみましょう。

株式を保有している全株主

株主総会の議案に対し、保有割合に応じて議決権を行使できます。簡単にいうと、株主総会の多数決に参加することができます。

何ができる?

1%以上

株主提案権(株主総会に議案を提出する権利)を持つことができます。簡単にいうと、株主総会の経営方針案を出すことができることになり、実質的に経営方針に口を出せることになります。先ほどの例でいうと、株式会社BatQueに新しい商品Xを開発すべきと議案を出すことができます。

たとえば、日本を代表する自動車企業TOYOTAの株式を1%以上保有していると、空飛ぶ自動車を開発するように株主総会へ議案を提出することが可能になり、それが株主総会で可決されれば(多数決で勝てば)、本当に空飛ぶ自動車を開発することになります。とはいえ、その決議を出すためには、TOYOTAの株式の1%を保有する必要があり、その額はおよそ2000億円になります。普通に考えればむつかしいですね(苦笑)。

3%以上

帳簿閲覧権、取締役等の解任請求権や総会招集権などを持つことができます。この辺りからかなり複雑になってくるので、重要なことを中心に説明します。この中で重要といえるのが、帳簿閲覧権です。簡単にいうと、株式会社の経理関連の資料をすべて見れます。これは株式会社の経営内容を丸裸にするのと同様なので、かなりの権利であることは間違いありません。

33.3(3分の1)%以上

この33%というのが非常に重要になります。先ほど、『多数決の勝利条件』を述べさせていただきましたが、特別決議に必要な多数は66.6%以上になります。つまり、33.3%以上の株式を保有していた場合、特別決議を否決する権利を得ることになります。会社の独裁を阻止する権利に等しいので、オーナー社長の会社の場合は相当意識する必要のある存在になります。

50%(半分)以上

普通決議の『多数決の勝利条件』にあたります。株主総会の普通決議が可能になります。つまり、会社の経営方針を一人でほとんど決議することができます。また50%以上は過半数以上になるため、その株式会社の株式数を一番多く保有していることになり、株式会社の中で一番権力者であることが確定します。とはいえ、50%以上66.6%未満の場合は、取締役の就任などを特別決議ができないため、絶対的な存在とはいえません。

66.6(3分の2)%以上

特別決議の『多数決の勝利条件』にあたります。株主総会の特別決議が可能になります。つまり、すべてを一人で決めることができる絶対的存在になれます。経営方針を決めることができるだけでなく、会社の中に入って会社の舵取りをすることも可能になります。

たとえば、株式を66.6%以上保有した人がいます。その人が株主総会で自分を代表取締役社長へ就任することを提案し、自分で特別決議することで、代表取締役社長に就任することができます。つまり、会社の全てを乗っ取り、取り仕切ることが可能になります。

株式の保有割合に注目しよう!

株式の保有割合によっては、様々な権利を得ることができます。個人で大企業の株式を大量に保有することは難しいですが、企業が他の企業の株式を保有することで、実質の経営権を取得することはよくあります。企業の経営権が変わるなどといったことは、大概この株式の保有割合が動いております。もしニュースなどでそういったお話を耳にしたとき、保有割合が何%かを注目して見てください。

たとえば、ソフトバンク社長の孫正義さん。孫正義さんの株式保有割合が「20.9%」で、大株主であり筆頭株主(一番株を持っている人)であるのですが、3分の1以上持っているわけではないため、一人で普通決議をできるわけではありません。しかし、ソフトバンクの利害が一致する人たちが保有する株式の合計(特定株といいます)は、50.1%と過半数を超えており、ソフトバンク内で普通決議をできる準備は整えております。また3分の1以上の株式を保有しているため、株式会社が乗っ取られる心配もありません。特定株などの詳細が知りたい方は「株式会社を乗っ取る方法!『株主構成』に注目!」を参照ください。

最後に…株とは!

  • 株式(株)を保有することで、会社の方針会議に参加でき、保有した株式数分だけ多数決投票に参加できる!
  • 株式の保有割合で得られる権利が異なり、株式保有数が50%以上で実質上の最高権力者に、66%以上で全てを決定できる神になれる!

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