【株式投資の教科書】『証券会社』と『証券取引所』の違い

株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介していきます。今回は意外と知られていないし、知っていても答えられない、「証券会社」と「証券取引所」の違いを簡単に説明します。

投資家が株式（＝株）を売り買いするときに、「証券会社」と「証券取引所」の出番がやってきます。すごく簡単に例えてしまうと、証券会社は、投資家が株式を売り買いしたいときに、仲介してくれる「ブローカー（代理人）」です。次に、証券取引所は、株式（＝商品）を販売している「販売店（SHOP）」です。

「投資家」は、「証券会社」に株式の売買の注文を出し、「証券会社」は「証券取引所」に株式のお買い物をしてきます。

簡単な例を出して説明しますと、投資家が、株式会社BatQueの株式を買いたいと証券会社Aに頼み、証券会社Aが株式会社BatQueの株式（＝商品）があるかを証券取引所Xに確認し、存在すれば株式会社BatQueの株式を買い、投資家へ届けてくれます。

「株式会社」や「証券取引所」の具体的な例は？

証券会社は、「松井証券」や「SBI証券」、「楽天証券」など様々な種類がありますが基本的には全て同じで、投資家が株式を売り買いしたいときに仲介してくれます。

証券取引所は、「東京証券取引所（＝東証）」と「大阪証券取引所（＝大証）」、「名古屋証券取引所（名証）」が三大証券取引所と言われています。実際はその他にもたくさんの証券取引所が存在します。株式会社自身が、どの証券取引所に株式を取り扱って（販売して）もらうかを決めて、証券取引所に取り扱ってもらう（販売してもらう）許可をもらってから、証券取引所で株式を売買できるようになります。株式会社が自分の株式を、証券取引所（株式の販売店）で取り扱って（出品して）もらうことを、「上場」といいます。

東京証券取引所には、「1部」、「2部」、「ジャスダック」、「マザーズ」という種類があります。最もステータスが高い「1部」は、テレビなどでよく耳にする「東証1部」のことで、東証1部に上場することを大企業の仲間入り（一つのブランド、ステータス）としてとらえることが多く、株式会社の信頼の証になります。

具体的な例えを出しますと、「東証一部」は最高級販売店（SHOP）であるため、いわゆる三越や伊勢丹に商品を出品することに等しく、株式会社（ブランド）として世間より評価を受けます。そのため、株式会社は、最高級SHOP（東証一部）に商品（株式）を販売して（上場して）もらい、信頼を得れるよう価値を高めることに努めます。もちろん上場の一番の目的は「資金調達」になりますが、ここでは説明を省きます。詳しくは「株式会社が『上場するメリット』とは？」を参照ください。

また、基本的に上場していない（未上場の）株式は、販売店に商品がないことになるため、基本的に株式を購入することはできません。未上場の株式は、基本的に会社の身内が購入したり、VC（ベンチャーキャピタル）のように株式の一部を渡す代わりに投資を受けたりすることで、取得することが可能となります。

上述した内容が、証券会社の主な仕事なのですが、証券会社の仕事はそれだけではないため、もっと詳細に知りたいという方のために、証券会社のお仕事の詳細を紹介します。主に以下の4つがあります。

株式を売り買いしたい人の注文を受け、それを証券取引所との仲介をし、取引を成立させる業務のこと。仲介したときに人々から受け取る手数料で利益を得ることができます。

証券会社自身の資金で株式を売り買いする業務のこと。株式（実際は株式以外にもある）を売買することで収益を得ることができます（もちろん損をすることもあります）。

新株や株式を、投資家に買い入れるように勧誘する業務のこと。

企業が株式や債券を発行する際に、売り出す目的をもって、企業の代わりに発行した株式や債券を引き受ける（全部または一部を買い取る）業務のこと。仮に株式や債券が売れ残った場合には、証券会社が引き取る必要があります。

• 証券会社とは、投資家が株式を売り買いしたいときに、仲介してくれる「ブローカー（代理人）」
• 証券取引所は、株式（＝商品）を販売している「販売店（SHOP）」