【株式投資の教科書】「バリュー投資」と「グロース投資」とは
株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介します。今回は「バリュー投資」と「グロース投資」について紹介します。
「バリュー投資」と「グロース投資」とは?
「バリュー投資」とは
「バリュー投資」とは、その名の通り「割安株投資」のこと。企業価値が株価に反映されていない割安な株式銘柄を抽出して投資する投資方法です。
株価が割安な時に株式を取得して、正当な株価に上昇するまで待つ投資方法です。比較的時間がかかりますが、リスクが低い投資方法と言えるでしょう。
割安の判断には、よくPER(株価収益率)が用いられます。株価がEPS(一株あたりの純利益)の何倍かを表したもので、一般的にこのPERが低いほど株価は割安とされています。ただ、PERの基準は業界などにより、大きく変わってきます。PERが20倍でも割安だったり割高だったりするため、しっかりと類似銘柄のPERと比較することで判断する必要があるでしょう。詳しくは「「PER」にだまされるな!」を参照ください。
また古くから割安を判断する指標として、PBR(株価純資産倍率)もよく利用されます。PBRとは、「1株あたりの純資産(BPS)」から株価の割安性を判断する指標のことです。PBR1倍未満であれば割安とよく教科書に紹介されていますが、実際はPBRが0.5倍前後の株式銘柄はたくさんあり、昨今はPBRを利用する投資家は減少傾向と言えます。詳しくは「もはやPBRでは割安性を判断できない」を参照ください。
このように様々な指標を利用して、割安な株式銘柄を抽出して投資するスタイルのことを「バリュー投資」と言います。
「グロース投資」とは
「グロース投資」とは、こちらもその名の通り「成長株投資」のこと。「増収増益」を繰り返せば企業が成長して、株価も上昇していきます。その株価の上昇を利用して利益を上げる投資方法です。
企業が成長したぶん株価の上昇が見込めるため、成長度合いを見極める必要が有ります。そのため、企業の業績、特に重要なのが「売上」と「利益」がどのように推移するかを予測する必要が有ります。「売上」や「利益」が前年度比率で増えれば増えるほど、高成長であると判断できます。
売上だけ増えたり、利益だけ増えたりする場合は要注意です。何かしらの問題を抱えている場合が多く、成長を継続することが難しいことが多くあります。たとえば、売上は横ばいなのに利益が上昇している場合、利益を多く見せるため社内のコストダウンを図っていたり、社員への負担を増やしているようなことがあります。そういった見せかけの努力は長続きしません。
「売上」と「利益」の両方が成長してこそ、「増収増益」の銘柄と言えます。このように「増収増益」の銘柄を抽出して投資するスタイルのことを「グロース投資」と言います。
どちらを選ぶべき?
バリュー投資を選ぶ!
リスクが小さいのは「バリュー投資」と言えますが、株価が上昇しないというリスクもあります。
「増収増益」の株式銘柄はメディアに取り上げられやすいため、必然的に注目されますが、割安株は比較的下がりきっている、もしくは安定しきっている株式銘柄が多く、注目がされにくい傾向があります。注目されないため、出来高が増えることなく、株価が横ばい。それがずっと続くようなこともあります。
その期間資産を凍結することになるため、投資家としては良い判断ということができないでしょう。
しかし、リスクが高い投資はしたくない、成長企業の情報収集や投資判断が難しいといった投資家も多くいます。「バリュー投資」は比較的容易にできることもあり、割安株に投資する人も多くいるでしょう。
割安株への投資を検討する場合、もう一つ良い材料を探しましょう。筆者のオススメは次の2つです。
「配当利回り」の高い株式銘柄を選ぶ
株価が横ばいで、まったく動かなかったとしても、配当利回りで利益を上げることができます。実は株式投資による配当利回りは銀行の利子よりはるかに高いケースが多いです。株価がほとんど動くことがなくても、銀行に預けるよりか効率良く利益を得ることができるでしょう。詳しくは「銀行預金よりお得な「配当金」と「株主優待」!」を参照ください。
テクニカル要素を含め株式銘柄を選ぶ
株価が横ばいでほとんど変化がなくとも、株価移動平均線より上に株価が推移しており、テクニカル的に上昇トレンドと判断できたり、そういったプラスαの材料を一つ付け加え、投資判断をすることをオススメします。そうすることで、横ばいで資産を凍結してしまうリスクを少しでも減らすことができます。
グロース投資を選ぶ!
ハイリスク・ハイリターンなのが「グロース投資」です。昨今の投資家のほとんどは「グロース投資」を行っているでしょう。しかし、「グロース投資」を選ぶ場合は、することはたくさんありすぎます。
しっかりとファンダメンタルズ分析を行い、増収増益が続く株式銘柄を見極めること。増収増益の企業でも株価が上がり過ぎていないかを見極めること。借金等の状況を見て安全性の高い企業であるか見極めること。etc…
やるべきことはたくさんあるため、多くの投資家が苦労し情報を集めながら投資しています。また、たとえ増収増益を見極めて投資し、大きな利益が出たとしても、一度増収増益が鈍化すると、株価が大きく下落するリスクと常に隣り合わせであることを忘れてはなりません。
ハイリスク・ハイリターンのため、常々努力を惜しまず投資できる人こそ、グロース投資を選ぶ権利があると言えるでしょう。
まとめ
- バリュー投資とは、「割安株投資」のことで、企業価値が株価に反映されていない割安な株式銘柄を抽出して投資する投資方法
- リスクが低い
- グロース投資とは、「成長株投資」のことで、増収増益企業の株価上昇を利用し利益を上げる投資方法
- ハイリスク・ハイリターン
- バリュー投資をする場合、配当利回りの良い銘柄や、テクニカル材料がある銘柄など、割安株以外に一つ要素を加えて、投資判断すべき
- グロース投資をする場合、増収増益の企業かつ株価が割高になっていないかを見極めて、投資判断すべき
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