【株式投資の教科書】投資家が「ファンダメンタルズ分析」を知らないことは許されない
株取引を始めるとき、利益をあげるために、様々なサイトや本を参考にしたり、セミナーに参加するのではないでしょうか。勉強をするうえで最低限の知識を学ぶことは悪くないことですが、8割の人が損をするのが株取引になります。教科書の知識だけでは利益をあげることは難しいのが現実です。では株取引で利益をあげる人は、教科書で得られる知識以外にどのような知識をもっているのでしょうか。
今回は企業の価値を分析するときに最も利用される「ファンダメンタルズ分析」について紹介します。
「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」
みなさんは株式投資を行う時に、どのような基準で株式を購入しますか?これまでの株価の変動の傾向から株価の推移を予想するのか、現状の企業価値を分析して株価が安いかどうかを判断するのか。判断方法は人それぞれだと思いますが、現代の投資家は主に「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」という2つの分析方法を用いて、投資判断をすることがほとんどです。
これまでの株価の変動の傾向から株価の推移を分析する方法を「テクニカル分析」と言います。テクニカル分析の分析の種類は非常に多く存在し、全て使いこなすのは難しいと言えるでしょう。自分の得意な手法を何種類か見つけ、それを中心に投資をしていくことが賢明と言えます。
またテクニカル分析は、どちらかというとデイトレードやスイングトレードなどの短期投資によく用いられます。
詳しくは「「テクニカル分析」を上手に利用しよう!」をご参照ください。
「ファンダメンタルズ分析」について
企業価値を分析して株価が安いのかどうかを分析する方法を「ファンダメンタルズ分析」と言います。ファンダメンタルズ分析は、基本的に成長性、割安性の2種類を軸に分析します。またファンダメンタルズ分析は、どちらかというと長期投資によく用いられます。
今回は2つの分析方法のうちの一つ「ファンダメンタルズ分析」について、詳しく説明します。
「ファンダメンタルズ分析」による投資の流れ
ファンダメンタルズ分析は、企業の業績が株価に反映されるという考えが根本にあります。そのため、現在の企業の価値に見合っていない株価であれば割安な株式銘柄とみなし投資を行ったり、数年後に企業が成長するのであれば成長性がある株式銘柄とみなし投資を行ったりします。逆にどんだけ勢いがある企業でも、株価が企業の価値以上に株価が上がっていたり、企業の成長も織り込んで株価が上がったりしていると、投資対象とはしません。
ファンダメンタルズ分析の投資の流れは次になります。
- ファンダメンタルズ分析の投資の流れ
- ①企業が成長が見込めるかを分析する(成長性)
- 数年後、企業の売上や純利益が増加しているか予測する
- ②企業の株価が割安かを分析する(割安性)
- ③投資する価値があれば、投資を行う
- ④定期的に①からを繰り返す
「ファンダメンタルズ分析」の分析手法
先ほど説明した投資の流れの①〜④に沿って説明します。
①企業が成長が見込めるかを分析する(成長性)
企業が成長するかどうか。そちらの分析によく利用するのが、「EPSの推移」と「ROE」です。
「EPSの推移」を利用して「営業成績の成長」を判断する
EPSとは、「1株あたりの純利益」になります。このEPSがプラスであれば黒字企業、マイナスであれば赤字企業ということになります。
このEPSの推移をみれば、企業の利益の増減がわかります。つまり、営業成績の推移が見れます。この推移が右肩上がりであれば、成長性している企業と言えることができるでしょう。EPSの推移の見方は、次を参照ください。
「ROE」を利用して「経営力」を判断する
ROEとは、企業がいかに効率よく利益を上げているか、「収益性」を分析する指標です。ROEが高ければ高いほど、効率よく利益を上げているということになり、良い経営をしていると言うことになります。
ROEは推移を見るのではなく、次の2つの条件を満たしていれば、高い経営力を持っていると判断して良いでしょう。
- 同じ業種の株式銘柄のROEと比較して高い
- 数年高いROEを維持している
ROEの見方について、詳しくは次を参照ください。
②企業の株価が割安かを分析する(割安性)
次に企業の株価が割安かどうかも判断する必要があります。例え、企業に成長性があっても、企業が成長するであろう売上や利益に妥当と言える株価まですでに株価が高くなってしまっていれば、「織り込み済み」と判断され株価がそれ以上上がらないことはよくあります。また企業に成長性がなくても、株価が必要以上に下がっていれば株価が回復する可能性があるので、投資する価値はあると言えます。
では、どのようにすれば企業の株価が割安かを分析できるのでしょうか。その分析に利用するのが、「PER」であったり「PBR」であったりします。
「PER」を利用して「企業の株価の割安性」を判断する
は、次のステップで見分けましょう。
- 現在のPERが同業種の株式銘柄のPERと比較して同水準以下か?
- 同水準より低い場合は割安とみなす
- 同水準より高い場合は「2」へ
- 企業の将来成長するであろう純利益よりPERを算出し、同業種の株式銘柄のPERと比較して同水準以下か?
- 同水準より低い場合は割安とみなす
- 同水準より高い場合は「織り込み済み」と判断する
このように、企業の株価が割安かどうかを判断するのは非常に難しいです。PERにプラスアルファの要素を追加して、株価が割安かどうかを見分ける必要があります。こちらの内容について、詳しくは「(「PER」にだまされるな!)[/feature/17]」や「(「PER」だけでは割安性を判断するのが難しい?)[/feature/170]」、「(低PERには手を出すな!高PERこそ株価が上がる成長株!)[/feature/171]]」を参照ください。
「PBR」を利用して「企業の株価の割安性」を判断する
PBRに関しては、参考程度に捉えれば問題ありません。最近のPBRから割安性を判断して、投資することに関してはほとんど参考にならないためです。
判断基準はPBRが「1倍」以下であれば株価が割安であると判断できます。とはいえ、PBRが「1倍」以下である企業のほとんどは成長性が見込みにくい企業になるため、PBRはあまり判断材料に含めなくて良いでしょう。ちらの内容について、詳しくは「(もはやPBRでは割安性を判断できない)[/feature/165]」を参照ください。
③投資する価値があれば、投資を行う
投資する価値の判断は次になります。
- 「①かつ②を満たす」場合、投資して良い
- 企業が成長性があり、現在の株価が割安 もしくは 成長を考慮すると株価が割安
- 「②のみを満たす」場合、投資して良い
- 成長性はなくても、現在の株価が割安
しかし「①のみ」を満たす場合は、投資の対象外にするべきです。成長しても、現在の株価を超えるほど企業の価値が上がらないということになるので、株価が将来下がる可能性の方が高いです。
株価には先見性があり、株価のピークの後に、業績のピークがやってきます。その罠にはまって、塩漬けになる話はよく聞くので要注意が必要です。詳しくは「(株価のピークと業績のピークは異なる!!)[/feature/172]」を参照ください。
またもちろん「①も②も満たさない」場合は投資する価値がありません。
④定期的に①からを繰り返す
投資した後は、定期的に①〜③を繰り返しましょう。そうすることにより、③で投資する価値がない状態になれば、株式を売却してしまって問題ありません。利益確定を済ませてしまいましょう。
「投資家が「ファンダメンタルズ分析」を知らないことは許されない」まとめ
- ファンダメンタルズ分析とは、企業価値を分析して株価が安いのかどうかを分析する方法
- ファンダメンタルズ分析は、主に成長性と割安性を分析する
- ファンダメンタルズ分析により、投資する価値があるのは次の二つ
- 企業が成長性があり、現在の株価が割安 もしくは 成長を考慮すると株価が割安の場合、投資する価値がある
- 成長性はなくても、現在の株価が割安の場合、投資する価値はある
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