【株式投資の教科書】 『株を買う / 売る』の正体は？

株式投資を始めたい人や初心者の方だけではなく、株式に興味はあるけど何も知らない、何もわからない人でもわかるように、株式の仕組みや言葉を紹介していきます。今回は初歩の初歩、「株を売る」と「株を買う」ということは、一体どういうことなのかを簡単に説明します。

「株＝株式」です。みんなが「株式」を略して「株」といっているだけです。「株式って何？株式を保有すれば何ができるの？」という疑問を持つ方がいれば、「『株』や『株式』ってなに？」の説明を一度参照ください。

株式（株）を保有していると、様々な権利を得ることができます。その権利を必要と判断した人は、株式の購入を希望します。逆にその権利を必要ないと判断した人は、株式の売却を希望します。購入希望者と売却希望者の間で、株式の値段を決めて合意した場合、売買の取引が成立します。これが株取引（株の売買）のと呼ばれている実態です。

このように、需要（株式購入希望者）と供給（株式売却希望者）のバランスによって、株式は取引されます。購入希望者のほうが多い場合、売却希望者は株式の値段（以降、「株価」）を吊り上げることができ、株価が上がります。逆に売却希望者のほうが多い場合、購入希望者は株価を値切ることができ、株価が下がります。「株価が上がる」や「株価が下がる」とよくニュースでいわれている背景には、このように株式の需要と供給のバランスが崩れて株価が上下しながら、株取引（株の売買）が行われているのです。

株式の通常の目的は、株式を保有したときに得られる権利なのですが、先ほど述べたように需要と供給のバランスが崩れることによって、株価が上がったり下がったりします。もちろん株価が下がったところで株式を買い、株価が上がったところで売れば、利益が出てお金儲けができます。これが、株で得した、株で損したの正体になります。

株取引で利益をあげるためには、株価が上がるか下がるかを理解し、判断できなければいけません。その理由は本題とずれてしまいますので、詳細は「『株価が上がる株』と『株価が下がる株』」と「「PER」にだまされるな！」を参照ください。

次に、株式を保有したいとき、株式はどこで買えるのでしょうか？もちろん、コンビニやデパートで買えるわけではありません。先ほどのお話では、売却希望者と株価を決めて合意する必要があるといいましたが、実際は売却希望者を見つけて話し合いをするわけでもありません。

実は株取引を仲介してくれる業者がいます。それが『証券会社』です。証券会社は株式の購入したい人、株式を売却したい人の希望を集めて株取引を仲介してくれます。株式の購入希望者や売却希望者は、証券会社に売買の注文を出せば、後は証券会社が処理をしてくれます。

実作業はというと、とてもシンプルです。みなさん、インターネットショッピングをしたり、映画やコンサートのチケットを購入をしたことはありますか？それとほとんど同じ作業になります。具体的には以下のように3つの指定をして、株式の購入を希望（注文）します。

自分が希望する『①株式会社』、『②株数』と『③値段』を指定して、株式の購入を注文する

簡単な例をあげると、「株式会社Aの株式を、500株100円で購入を希望する」と、セットするだけです。後は、自分の指定した条件とマッチする条件で売却の注文をしている人がいれば、売買成立になります。このあたりの調整はすべて証券会社がやってくれます。

証券会社がどのように買い注文と売り注文をマッチさせるかは、「『株価』ってどうやって決まるの？」に詳しく書いてありますので参照ください。

株を買ったり、売ったりするには、証券会社と契約することが必須になってしまいます。証券会社は100社以上あり、正直どこと契約すればよいかよくわからない人も多いでしょう。

証券会社は上述した処理をしてくれる代わりに、仲介手数料を取ることで利益をあげています。手数料の高いところもあれば低いところもあります。では「低いところがいいじゃん」と思ってしまいますが、証券会社はただ株取引の仲介をするだけではなく、経済や株式会社の情報を提供してもくれます。また証券会社ごとに、注文時に様々なオプションがあったり、簡単に安全に取引できるような工夫をしてくれたりしています。このようなメリットデメリットがある中で自分にあった証券会社を選ぶ必要があります。