祈る気持ちを忘れずに…『ウィザードリィ』はヤリコミ系RPGNo1?|RPGNo1人気投票実施中!
1987年にファミリーコンピュータ用として発売されたRPG「ウィザイードリィ」は、とにもかくにもあらゆる設定がマニアックすぎて、当時も現在でも決してメジャーといえるゲーム作品ではありません。
しかし、だからこそハマる中毒性があるのも事実。
そこで今回は、そんなヤリコミ系のゲーム「ウィザードリィ」の魅力を紹介します!
またRPGNo1を決めるアンケート実施中です!ぜひ人気投票に参加ください!
ドラゴンクエストvsファイナルファンタジーのアンケート
ドラゴンクエスト
ファイナルファンタジー
シンプル?不親切?いやいやそれは演出です!
ゲームはとってもシンプル!
ゲームは、最大6人でパーティを構成してダンジョンを地下へ地下へと延々と潜っていってモンスターを倒していく、というシンプルなもの。もちろん、ラスボス的な相手もいます。しかし、そのダンジョンのグラフィック表示が面白い。なんと「3Dポリゴンの壁のみ」なのです。どこまで進んでも、壁と通路と扉。たまに階段、となんとも退屈なもの。しかしこれはあえての作り手側の意図した「演出」です。
もちろん、敵モンスターとエンカウントすればそのグラフィックは表示されますが、それだけです。なんと元になったPC版の方ではモンスターのグラフィックすら表示されず、名前とステータスのみだったといいますので、敵がどんなやつか見れる分だけ「マシ」なのでしょうが、ではなぜ、このシステムを敢えて取り入れたのか?
突然の演出がたまらない!
それは『想像力が恐怖と好奇心を掻き立てる』という人間心理を利用したかったからだと、当時のゲーム開発者が言っています。お化け屋敷と同じ心理なのだそうです。次になにが出てくるかわからない、いきなり罠や落とし穴に出会うかもしれない。扉を開けた瞬間、モンスターが!
さらにBGMらしいBGMもありません。ただただ冒険者の靴音が「ざっざっ」と鈍く響くのみ。それだけにエンカウントの音が鳴った瞬間など、いい大人でも「びくっ!!」としてしまいます。ユーザーを上手くこの世界に入り込めるようにしているのですね。
他のRPGにはない「不確定さ」と「リアルさ」
甘さ『0』なのがウィザードリィ
ドラゴンクエストをはじめ、名立たるRPGでは、仲間が死んでしまった際には「復活」ができますよね。魔法で、アイテムで、教会で。しかし「ウィザードリィ」はそんなに甘くはありません。もちろん復活の呪文は存在しますし、街に帰れば教会もあります。
しかし、かなりの確率で「失敗」してしまいます。
はじめは信じられませんでした。普通のゲームでは考えられません。では「失敗」するとどうなるか。なんと「灰」になってしまうのです。人間の命の儚さを思い知らされる展開です。しかし、諦めてはいけません!(多くのユーザーがここで諦めますが)灰からの復活もできなくはないのです(かなり確率は低く、確か10%前後)。
育てたキャラが「ロスト」...絶対にキャラを死なせたくない!
さて、残念なことにこれでも失敗してしまった場合、なんとそのキャラは「ロスト」つまり消失してしまいます。寝る間も惜しんで経験値上げにいそしんだ大事なキャラが、完全になくなるのです。なんとも厳しいゲーム設定ではありませんか。しかし、だからこそ「キャラを大事にする」「絶対に死なせない」という思いがとても強くなります。ともすれば、実社会で生きる私たちに「現実はそうそう甘くない」と教唆されているようにも感じる…というと言い過ぎでしょうか。
けどもし死亡者が出たら...もう祈るしかない!
しかし、万が一にも死亡者を出してしまい、不本意ながら復活を行わないといけなくなった際には…とにかく「祈る」しかありません!もう本当に、無宗教の筆者でさえこのゲームの中に「神」がいるなら、との想いで画面の前で必死に祈りました。この記事のタイトルにも書いている「祈る気持ちを忘れずに」とは、ゲームを始動させた時に最初に画面にでる台詞です。なんとも言い得て妙ですね。そら恐ろしくもなります。
祈らなければならない場面は他にもいっぱい!
罠とわかって開けなければいけない宝箱...
祈る気持ちは他にも色々な場面で必要になります。というか、ゲーム中ずっと祈ってることばかりな様な気がします。例えば、RPGには無くてはならない「宝箱」。モンスターを倒した後、またダンジョン内で落ちている宝箱を見つけた場合、すぐには喜べません。
なぜなら、ほぼ100%「罠」が仕掛けられているからです。罠を解除するには「盗賊」という職業のメンバーをパーティに入れていなくてはいけません。盗賊は、戦闘力も低く魔法も使えず、本当に戦闘中はお荷物キャラなのですが、彼の本領を発揮するのはこの場面なのです。
なぜなら、街のお店で買える武器・防具には大した装備はなく、ダンジョンの深層を攻略していくために必要なアイテムは、ほぼ全てこの宝箱から入手しないといけないからです。この盗賊に「罠の種類の判別」をさせ、いざ「解除」させる瞬間も、もう祈るしかありません!まず、罠に引っかからないように(最悪の場合全滅)、そして、レアアイテムが出ますように…と。
罠を解除してもまだ何かわからない...
しかし、無事に罠を解除してアイテムをゲットできても、まだ安心はできません(もうここまで難易度を上げる必要があるのかと呆れますが(笑)。アイテムは「剣??」などという表記で、そのままでは「なにかわからない」のです!ではどうするかというと、今度は「鑑定」が必要になります。街の道具屋で有料でやってくれますが、ダンジョンの深層まできているとわざわざ地上まで戻るも大変なので、高位職「ビショップ」の持つ鑑定魔法を頼ることが多くなります。
しかし、みなさんお察しの通り、ここでも「失敗」することがあります。失敗すると、アイテムが壊れ、下手をすればビショップが呪われるという事態も。と、ここまで読んでみて「なんだ、ダメだった場合は『リセット』すればいいじゃないか」と思った読者も多いでしょう。しかし、そう甘くないのがこのゲーム。
ありがた迷惑「オートセーブ」機能!
ファミコンながら、ソフト内に「バッテリーバックアップ機能」を搭載したこのゲームは、それまでの「パスワードコンティニュー式」と違って、データをカセット内にセーブしてくれます。してくれるのですが、そこが曲者…なんと「オートセーブ」なのです。つまり(一部を除いて)常にセーブし続けているのです!!そのため、復活に失敗したらその瞬間もセーブされており、リセット技が使えないのです!!(回避できる場面もありますが、長くなるのでここでは割愛します)
多彩な職業と「種族」、そして性格。ここでも縛りだらけ!
まず、新規でゲームを開始すると、「キャラクター作成」から始まります。あらかじめ作られたキャラも何人かはいて、それをパーティに加えることもできますが、デフォルトのキャラは当然「可もなく不可もなく」なステータスなので、やはり自分で作成したキャラでパーティを作るのがこのゲームの醍醐味です。そこで、様々な選択肢が用意されています。
種族によって初期パラメータが異なるあたりは王道だが...
最初に紹介するのは「種族」です。「ウィザードリィ」の世界では、ファンタジーでは王道の、人間は元より様々な「デミ・ヒューマノイド」が存在し、それをプレイヤーキャラとして選ぶことができます。ファンタジーの原点であり王道の「指輪物語」からインスパイヤーされたその種族とは、皆さんおなじみの、エルフ、ドワーフ、ホビット、ノームです。当然、種族によって初期パラメーターも異なります。そのため、それぞれの種族に適した「職業」もおのずと偏ってきます。
例えば、エルフは知能や素早さに秀でているので魔術師や僧侶向き、ドワーフは力や体力に特化しているので戦士向き、など。ここまでは他のRPGと同様かと思います。もちろん、ユーザーの思い入れが強ければ、「私は何が何でもエルフの戦士を作りたいんだ!」と言う人は、もちろん作成可能です。ボーナスパラメータをそう割り振ればそれほど苦もなく作れます。この辺りは自由度があっていいですね。
職業は日本かぶれ(笑)
選べる職業は、大きく「ノーマルクラス」と「ハイクラス」の2つに分かれます。ノーマルは、戦士、魔術師、僧侶、盗賊。ハイクラスは、「サムライ」「忍者」「ビショップ」「君主」となります。普通は高位職はいきなり作れません(ハイクラスのうちの半分がなぜか日本の職業(?)なのかは理由ははっきりしていませんが、多分開発者が日本かぶれだったかと思われます)。
しかし、いきなりキャラ製作段階でハイクラスを選ぶこともできます。それには低確率で発生する「超ボーナスポイント」が欠かせません。キャラ作りの際にパラメーターに割り振れることができるボーナスポイントは、通常10前後ですが、たまに30とか50!とか「超ボーナス」が出る場合があります。さすがにいきなり忍者は無理ですが、それ以外のハイクラスは作ることが可能なのです。
ハイクラスは成長が遅いという落とし穴...
そして、ここがこのゲームの落とし穴。通常は戦士なら戦士をLvアップしてパラメーターを上げてサムライや君主に転職させるのですが、Lvアップに必要な取得経験値が全然違ってきます。例えば、戦士をLv.1からLv20(転職可能Lv)まで上げるのに必要な経験値と、いきなりサムライLv1からLv20まであげるのに必要な経験値は3倍以上になります。つまり、ハイクラスはとにかく成長が遅いということです。この問題の解決方法は、別記する「某モンスター無限増殖裏技」で解決はできるのですが、かなりハイレベルな攻略法なのでここでは触れないでおきましょう。
最も重要なのは「性格」!
さて、ここでまた、他のRPGにはない選択をしなくてはならなくなります。それは職業にも、いや、今後の貴方のプレイの方向性にも影響する重大な選択です。それは「性格」です。
ウィザードリィの世界において、大きくキャラの性格は3分されています。
それは、「善」「中立」「悪」の3つです。「悪」といっても、非道な悪魔のような、というものではありません。「自分の欲求に忠実な」程度のものです。例えるなら、命乞いをするモンスターを、見逃せば「善」、ぶった切るなら「悪」。その程度です。しかし、それが職業選択に始まり、今後のプレーヤーの行動をがっちり縛ることになります。職業は、善悪それぞれなれる職、なれない職が決まっています。悪の君主はなく、善の忍者もいません。しかしこれは「原則」です。パーティも、善と悪を混合して組むことは「原則」できません(裏技は存在しますが)。
ダンジョンに入って様々なモンスターと戦闘するうち、「善」パーティの行動選択如何によっては「悪」に変わることもしばしばあるのです。怖いですね。どっちが良い・悪いではありません。プレーヤーの好みの問題でもあるでしょう。こういった設定を改めて見直すと、なんとも人間臭さ満載のゲームですね。
設定の裏をかく「裏技」しかし、それも…!?
例えば、君主は「善」しかなれません。他方、忍者は「悪」のみです。でも、どうしても「君主と忍者を一緒のパーティにしたい!」と思った場合、諦めるしかないのでしょうか?
結論から言うと、可能です。
基本、ウィザードリィにおいてパーティを作る際は、「ギルガメッシュの酒場」で登録(作成)されているキャラをパーティ編成するのですが、「ウィザードリィ」の世界では、「ダンジョン内で合流」という裏技が使えます。
ギルガメッシュでは当然、性格(善悪)の違うキャラは一緒のパーティにできませんが、以下の工程で編成が可能になります。
- 例:悪パーティに君主(善)を入れる方法
- 君主のみでパーティを作り、それをダンジョン入り口で放置して街に戻り別で悪パーティを作る。(5名以内)
- ダンジョンに入り。先の君主を放置したポイントで「仲間を捜す」
- 見つけた君主を「パーティに加えますか?」「YES」で完了。
行動次第で「善」と「悪」の性格が変わってしまう...
これで善悪混合パーティの完成です。しかし、気をつけないといけないのは、そのパーティーでのその後の「行動」です。「悪」パーティだからと、悪な選択ばかりしていると、善の君主も「悪」に変わってしまうのです!ゲームを進めていく上では願ったりですが、人の上に立つ「君主」が「悪」って、なんだか世相を反映しているみたいで、ここにもこのゲームの哲学的な匂いを感じます。
知っていて損はない裏技!
このゲームのダンジョンは10階が最下層です。最下層近くになると、プレーヤー泣かせの凶悪モンスターが出てきます。そのうちのひとつが「グレーターデーモン」です。通常攻撃も魔法威力もハンパなく、弱小パーティなら1ターンで全滅です。しかし、そこそこLvを上げていれば、とある「裏技」によって、とんでもなく美味しいものにもなるのです。
これってバグ?それでも美味しく頂きます!
とんでもない破壊力のグレーターデーモンは、あろうことか「仲間」を呼びます。しかし、ここで魔術師のトンデモ魔法「ハマンor マハマン」が炸裂します!!この魔法は、いわゆる「何が起こるかわからない」究極魔術師上位魔法なのですが(ドラクエの「パルプンテ」みたいなもの)、「何が起こるかわからない」とはいいつつ、何が起きるか3択で選べるのです(笑)。運次第ですが、その選択肢の中で「魔物を黙らせる」が出てきたらこっちのものです。
文字通り、相手の呪文を完全封印、しかも呼んできた仲間も「封印」されているという状態。通常攻撃も中々のものですが、呪文がない分、楽勝です。1匹だけ残してタコ殴り、また呼んだら呼んだ分だけザクザク倒します。「ハマンマハマン」の呪文は、唱えた術者のLvを1ランク下げるのですが、でもそれを補って余りある経験値を頂けるのです。
ラスボスで終わりではない!ヤリコミ系RPGの真髄はクリア後から
さて、こうしてLvアップもアイテムもがっつり頂いて、いよいよラスボス「大魔術師・ワードナ」の討伐です。そもそものゲーム設定では、この地域を治める暴君王:トレボーの元から、大魔導師:ワードナが魔法のアミュレットを奪い、地下迷宮を作ってその最深層に篭ったので、それを取り返してくれる冒険者募集!という背景なのだが、どうにも疑問点も多くあります。
気がすむまでダンジョンで冒険できる!
実際、ゲームでワードナを倒し(それほど難易度は高くない)、城(街)に戻ると、トレボー王から賞賛を頂いて(以降、そのパーティーのキャラの名前には☆マークがつきます。勲章のもののようであろう)それで終わり。
…いや、終わりではなく、まだまだ続くのだ、冒険は。
エンディングを迎えても、さらにダンジョンには入ることができるので、
- まだまだLvアップしたい!
- あのアイテム、まだ手に入れてない!
などなど、プレーヤーが「気のすむまで」ダンジョンで冒険を続けることができます。 ※ここでも裏技! 実はワードナを倒してもらえるアイテム「アミュレット」は、持ち帰らなくてもOKなのです!
伝説のアイテム『アミュレット』の獲得方法
前回ご紹介した「ダンジョン内で合流」する裏技の応用で、なんと、スーパー恩恵の高い「アミュレット」を自分たちのアイテムとして所有できるのです!
- アミュレットを持たせたキャラのみダンジョン入り口で放置
- 残りのパーティで街に戻る
- やったね!いえーい!なエンディングがあるが
- 引き続き、アミュレット持ちのキャラを別パーティで拾う
さてはて、エンディング以降も引き続き冒険に出て、ラスボスの部屋にまで再度行ってみると、当然ワードナはいないが、代わりに彼の側近のヴァンパイヤロードが出迎えてくれます。
全クリよりも難しい!?やり出したらキリがないのがウィザードリィ
最強のヤリコミ要素『武器集め』
このように、ウィザードリィでは「当初の目的」は実は意外とすぐに完了してしまいます。しかし、このゲームは「そこからが」ヤリコミ度が高く、入れ込んでしまうのです。「忍者のレベルを99にしよう」「僧侶呪文も覚えさせたサムライを作ったら無敵なのでは?」などと、プレーヤーの好奇心を尽きることなく享受してくれる、シンプルで、自由に見えて縛りが多いゲームです。また、アイテム収集も魅力のひとつですね。レア武器、防具は枚挙に暇がありません。
ムライ最強の武器「MURAMASA」なので、狂喜乱舞!
キャラを紹介した際にお気づきの方もいるでしょうが、「サムライ」ときたら最大の武器は「刀」ですよね。実際、宝箱を開けた際に表示される不確定要素で「KATANA?」と出てきた場合、ほぼサムライ最強の武器「MURAMASA」なので、狂喜乱舞します!また、忍者用最強武器は、当然「SHURIKEN」なので、不確定アイテム表示で「STAR?−星型のなにか−」と出れば、100%手裏剣なのでこれまた狂喜乱舞ものです。
サムライの「MURAMASA」と忍者の「SHURIKEN」に関しては、クリティカルヒット(ドラクエなどでは「かいしんの一撃」でダメージ大幅アップですが、ここでのクリティカルは首を刎ねて『即死』です)が臨めますので、喉から手が出るほど欲しいアイテムです。
そんな魅力的なアイテムを取り逃がしたままゲームエンドなんて…できませんよね!? なので、僕らは延々とダンジョンの探索を続けてしまうのです。呪われたように。
「祈る気持ちを忘れずに…『ウィザードリィ』はヤリコミ系RPGNo1?」まとめ
いかがだったでしょうか。まだまだ「ウィザードリィ」の魅力は語りきれません。
シンプルかつやりすぎと思えるくらい「厳しい縛り」に始まり、ヤリコミ度も高く、今でも一部のマニア(筆者含め)には「神ゲーム」として崇められています。
ファミコン版以降、プレステなどで後継シリーズもいくつか作られましたが、グラフィックが多彩になっていたり設定が甘くなったりとハードルを下げているため、このオリジナルほどの「恐怖」とヤリコミ度は全くなくなっています。
それでは、お待ちかね人気投票のアンケート・ランキング結果の発表です。
ドラゴンクエストvsファイナルファンタジーのアンケート
ドラゴンクエスト
ファイナルファンタジー
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ドラゴンクエストvsファイナルファンタジーのアンケート
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