【風の谷のナウシカ】原作漫画は映画と全然異なる?|ジブリ人気投票も!
原作漫画と映画が作られた理由
1984年3月11日公開された宮崎駿の長編映画第2作「風の谷のナウシカ」。現スタジオジブリを支えるスタッフ、「高畑勲」や「鈴木敏夫」、「久石譲」らによって制作された、興行収入14.8億円のヒット作品になります。村を守るため、動物や蟲を守るため、奔走する「ナウシカ」の姿が印象的で、ジブリシリーズで一番好きな映画にあげる人も少なくありません。
この映画「風の谷のナウシカ」には原作漫画があり、「アニメージュ」で1982年2月号から連載が始まり、1994年3月号で連載が終了しました。作者は映画監督と同じ宮崎駿のため、映画制作などのため4回の長期休載されながらゆっくりとストーリーが進んでいきました。コミックスは全7巻、映画になったのは冒頭の1巻と2巻になります。約116分の映画でストーリーの全てを表現しきれず、冒頭の2巻分しか表現できなかったため、宮崎駿自身は映画「風の谷のナウシカ」をあまり評価しておりません。そもそも当時のスケジュールに無理があり様々なシーンがカットされたり、近年の宮崎駿作品のクオリティーとはいかないため、満足できないことも多かったことも評価しない原因の一つといえるでしょう。
原作漫画を連載した理由とは
また、映画を作りたい宮崎駿がなぜ漫画を連載していたのかについて。1979年の「ルパン三世 カリオストロの城」で興行的な失敗をして宮崎駿の評価が下がってしまい、映画を作りたくてもチャンスをもらえず、干されていた時期がありました。
宮崎駿に映画を作らせたいという思いがあった鈴木敏夫は、所属していた徳間書店の企画会議になんとか映画制作を通そうとしましたが、『原作のないものを映画化することはできない』と却下され続けていました。
しかし、徳間書店のアニメージュ編集長の尾形英夫は「未来少年コナン」から宮崎駿の才能に目をつけており、鈴木敏夫に『無理やり原作を作ってみては』と考案し、アニメージュにて「風の谷のナウシカ」の漫画の連載にこじつけます。そして、漫画「風の谷のナウシカ」というハクをつけることに成功。さらに『策士』鈴木敏夫は短編アニメという企画から徐々に話を膨らませ、徳間書店の社長より劇場版の制作の許可を得ることに成功しました。
こうして映画を作るための漫画「風の谷のナウシカ」と、映画「風の谷のナウシカ」が制作されることになりました。
映画と漫画の違い
基本的には、漫画の流れを踏襲しておりますが、映画にするために大きく3つの違いがあります。
- ①映画の尺に収めるため、原作漫画の設定や話をカットしている
- ②映画用のラストシーンがある
- ③原作漫画全7巻の1巻と2巻が映画化されている
①映画の尺に収めるため、原作漫画の設定や話をカットしている
原作漫画に登場する土鬼国の削除
原作漫画には、「土鬼(ドルク)」という国が存在します。映画では「トルメキア」と「ペジテ」の2大勢力の争いに巻き込まれる「風の谷」の村とナウシカですが、原作漫画では「土鬼」と「トルメキア」の2大勢力の争いに巻き込まれます。
巨神兵の活躍
映画の「巨神兵」は、生体兵器で未完成な状態として描かれています。しかし、原作漫画では人型で知性のない生体兵器として描かれています。
腐海の発生理由
映画では、腐海は自然発生し、汚染された世界を浄化してくれるシステムとして、描かれています。しかし、原作漫画では古代文明が人工的に浄化するシステムを生み出したものとして、描かれています。
クシャナの詳細が描かれていない
映画では、悪役として描かれている「クシャナ」。実際に『焼き払え』と巨神兵に命令したり、人道的でなく冷酷かつ残虐なイメージが強いですが、原作漫画ではクシャナの取り扱いが一味違います。原作漫画ではクシャナに関する様々な話が用意されており、非常に魅力的かつ人間ができており、王の資質を持っている人物として描かれています。例えでいえば、「もののけ姫」で登場する、たたら場の「エボシ」のような人物として、原作漫画では描かれています。
②映画用のラストシーンがある
原作漫画では、オウムの大群が押し寄せる場所は、「風の谷」ではありません。王蟲が風の谷を襲い、ナウシカが止めに入るシーンは映画用のラストシーンになります。また、当初の宮崎駿の絵コンテのラストシーンは『王蟲が突進してくる前にナウシカが降り立つ』というものでした。しかし鈴木敏夫はこの内容に納得せず、『ナウシカは吹き飛ばされるが、その後生き返る』という代替案を宮崎駿に提案および説得を行い、ラストのシーンが決定しました。しかし後日、宮崎駿は『どうしてもっといい結末を思い付けなかったのか…。あのラストシーンは心残りだ』と後悔していたそうです。
③原作漫画全7巻の1巻と2巻が映画化されている
最後に原作漫画のどの部分が映画化されたかを紹介します。まず「風の谷のナウシカ」の世界での出来事を時系列順に並べると以下のようになります。
- 文明を築き上げた古代人が戦争を繰り返してしまった結果、大気汚染がひどく、生きてはいけない環境になる
- 「巨神兵」を利用した「火の7日間」と呼ばれている古代人の最終戦争で、古代人が意図的に地球上の全てを焼き払う
- 古代人が大気汚染を浄化するため、浄化する菌と蟲を人工的に精製し、腐海が出来上がる
- 腐海が大気を浄化するのに時間がかかるため、古代人は大気が浄化されるまで眠りにつく
- 古代人が人造人間を精製し、古代人を眠りから覚ます役目を与えるが、古代人と人造人間の間で戦争になることを避けるため、人造人間が浄化された大気では生きていけないように精製する
- 古代人が眠りについて数百年後、腐海が拡大し順調に浄化していくが、腐海自体が人造人間にとっては毒であるため、人造人間同士の戦争だけでなく、人造人間と腐海との戦争が頻発する
- ナウシカは人造人間と腐海との戦争に関わった後、自分自身が古代人に精製された人造人間であり、大気が浄化されるまでの『役割を持った人工物』であることを知ってしまう
- ナウシカは人造人間の存在意義に納得ができず、古代人が眠る場所を探し当て、全てを破壊する
- ナウシカは古代人の計画より、自然とともに生きることを選択し、余生を過ごす
映画化されたのは、「2」のみであり、そこが漫画の1巻と2巻に当たります。原作漫画は「6」から始まり、「7」の時点で、「1」~「5」の真実をしり、「8」と「9」が描かれ、終了します。
また、古代人と人造人間の生存可能な環境も紹介します。
- 汚染度 高:腐海の中、汚染され過ぎ、古代人・人造人間も即死する世界
- 汚染度 中:風の谷などの、古代人・人造人間が普通に暮らせる世界
- 汚染度 小:腐海の底、浄化が進んでいるが、古代人・人造人間も暮らせる世界
- 汚染度 なし:腐海の底のさらに奥、浄化が完了している、古代人は生きることができるが、人造人間は生きていけない世界
「【風の谷のナウシカ】原作漫画は映画と全然異なる?」まとめ
宮崎駿と鈴木敏夫は、「風の谷のナウシカ」を映画化しようとしましたが、原作のない作品の映画化の企画が通らなかったため、あえて原作漫画を制作することで、ようやく映画化にこじつけました。映画公開後も原作漫画はストーリーが進み続け、1984年の映画公開の10年後に原作漫画「風の谷のナウシカ」も完結しました。また映画と原作漫画の大きな違いは下記の3つ。
- 映画の尺に収めるため、原作漫画の設定や話をカットしている
- 映画用のラストシーンがある
- 原作漫画全7巻の1巻と2巻が映画化されている
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